スミルノフ教授公式ウェッブサイト>実況!麻酔指導医試験口頭試問>美トモコさん
最終更新:2003年7月20日
2000年10月某日、有楽町の一角のとあるビル内でそれは行われた。廊下で5分間待たされる。「いつもどおりやってれば大丈夫だからー、なー」とボスが言う。ボスはこのパーティの元締めだ。ほどなく名前を呼ばれ、美トモコはノックをし、その部屋に入る。
「失礼いたします。・・・・うっ・・・!ココは・・・!!」
窓のない小さな部屋におじさまがふたりすわってこっちをみてる。一人が私をおじさまたちの目の前にある椅子に座るように促がし、もう一人はにやにやしながら履歴書の写真と見比べ、私を頭から爪先まで舐めるように見廻した。一体、私をどうする気かしら・・・。
「それでは、まず、私から・・・」
左側のおじさまがおもむろに私につっこみ始めた。そのおじさまのつっこみは激しく、そしてとどまるところを知らなかった。ああん、どうしてそんなところまでつっこむの? (ちなみに美トモコはVO2に関してつっこまれている)つっこまれること15分間・・・。
「それでは私はこれで。」
左側のおじさまは満足げに笑みを浮かべている。
「では、次は私が・・・。」
右側のおじさまも待ちきれないといったふうで、憔悴しきった美トモコの表情をよそに、早速つっこみ始めた・・・。
(中略)
30分の恥辱をうけ、美トモコはぼろぼろになっていた。だが、美トモコにはさらに、もうひとくみのおじさまたちが待ち受けているのだった・・・。
「もう、美人女医なんて、やめる・・・。」
美トモコの心の叫びも虚しく、次の部屋に通された。やはり窓のない無機質な部屋で、おじ様が2人、美トモコを待ち構えていた。
「前の部屋は如何でしたか。この部屋では器具を使って・・・。」
器具・・・!! いったいどんな器具を使うのかしら・・・。 おじさまは慣れた手つきで、大きな茶封筒からその器具を取り出した。
「うっ・・・」
美トモコは思わずうめいた。それは美トモコが大好きで、毎日使っているものだった。思わず美トモコの目が潤む。
「これがなんだか、わかるかい?」(ホントにこう訊いてきた。ばかにしてるのか?)
「こ・・・こうまくがい、チューブです。」
「それじゃ、これを実際に使って見せてもらおうかな」
美トモコは恥ずかしさとおじさまの熱い視線に耐えながら、チューブを通す真似をしてみせた。(パントマイム状態なので、まじ、はずかしい。30女にこんなことやらせるな)
「ほう・・・そんな格好でやるのですか?」
「ええ・・・おかしいでしょうか・・・。」
左のおじさまがニヤニヤしながら、
「女性が腋をあけるのは、ちょっと・・・。」
「・・・でも、わたし、こうじゃないとだめなんです。」
(もちろん実話!私がloss of redistanceでTuohy針を進めるときに、上のつばを左手でつかんで進めたら、こう言われたので、「頭が右にあるときはこうしている!頭が左にあるときは下のつばをつかんでいる。こうすることで人間工学的に頭側にチュービングされやすいらしい」ということを説明したら、納得してくれた。「ほーなるほどー」とか言って。ちなみにこれはI先生の教えなので、ギロンしたい方はI先生までお電話くださーい。)
タイマーのアラームが鳴った。
「おっと、時間です。あっという間でしたね。今日はこの辺にしておきますか。」
美トモコは緊張と恥ずかしさで頬が上気しているのを感じながら部屋を後にした。ようやく、つらくてはずかしくてちょっぴりスリリングな60分間が終わったわ・・・。美トモコは、自分が美人女医である前にひとりの女であることを思い出し、そして夜の有楽町の雑踏にまぎれていった。
2日後・・・。
美トモコはボスに呼び出された。何となく覚悟はできていた。
「美トモコちゃーん、がんばったんでしょー。わたしのところの女医さん、優秀だって評判だったよー。」
「うふふ・・・ボスの顔に泥をぬるわけにはいきませんもの・・・」
美トモコは余裕の笑みを浮かべ、言った。ボスには言えない・・・と、美トモコは思う。だが、けっして忘れることはないだろう。あの窓のない部屋で起こった、めくるめく60分間の一部始終を・・・。
・・・完
今回の試験の肝(キモ)はやはり器具でしょう。Kちゃん、Aちゃんのときは挿管チューブと喉頭鏡が、美トモコには硬膜外セットが、Yどんのときは神経刺激装置が、M先生にはSGカテが登場しました。五十音が進むにつれて器具がフクザツになるのでした。来年はいったいどんな手を使ってくるのか・・・。