スミルノフ教授公式ウェッブサイト実況!麻酔専門医試験口頭試問>「みるくちょこ」さん

最終更新:2007年07月27日

「みるくちょこ」さん

みるくちょこはやっと口頭試問と実技が終わりぐったりです。

口頭試問と実技で呼ばれるまで1時間以上大部屋で待機したため、その時間が地 獄でした。おしゃべりや通信機器と思われるものの禁止で静まり返った状態で、 勉強道具をほぼ持ってこなかった私は、ひたすら瞑想するのでした。

12人ずつ呼ばれていきやっと自分の番になりました。 狭いエレベーターの中に入れられ違う階に案内され個室の前に置かれた椅子に座 らされました。 静まり返る廊下。これからガス室に送られるような雰囲気です。 椅子に座るとクリップボードにはさまれた紙とボールペンを渡され5分間見てく ださいと言われました。メモる手が震えます。 5分経つとクリップボードとボールペンを返還しいざ面接へ。 部屋に入ると2人の面接官がこちらを向いて座っています。 受験票を渡すと名前を確認されます。

「みるくちょこ」さん:症例問題

試験官1「座ってください」

「おねがいします」

症例1

70才代のおばあちゃん。身長150cm体重60kgくらい。喉頭に良性腫瘍 がある。膝の人工関節全置換術をやるけれども本人は全身麻酔を希望している。 3年位前に肺塞栓症の既往がある。そんな感じ。

喉頭腫瘍患者のTKA・術前管理

試験官1「まず1症例目の問題点を述べてください」

「高齢、喉頭に腫瘍があるので挿管に邪魔かもしれません。脊髄くも膜下麻酔 や硬膜外カテーテルの挿入時に骨の変形などで難しいかもしれません。肺塞栓の 既往があり下肢の手術なので、肺塞栓症のリスクが高いです」

1時間半以上も瞑想していたのに緊張で声が裏返る。

試験官「他に....」

沈黙が流れる。必死に考えるが胸の鼓動の音が大きくなるばかり。

「そのくらいです」

試験官1「術前に検査するものはありますか」

「一般的な血算、生化、出血、凝固、下肢の血栓の有無など」

試験官1「肺塞栓について何を検査したらいいですか」

「出血、凝固、フィブリン、下肢のエコーなどですか」

試験官「Dダイマーとか?」

「Dダイマーとか」

試験官「あなたなら麻酔はどうしますか」

「肺塞栓の既往がありますし、下肢の手術ですので血栓症のリスクが高いこと を考えると術前からヘパリンなどを投与して予防したほうがいいと考えますので 、脊椎麻酔や硬膜外麻酔ですとシビアな管理をしなければならないし、本人も全 身麻酔が希望ということなので全身麻酔を選びます。鎮痛の補助として3in1ブ ロックをするかもしれません。全身麻酔だと喉頭に腫瘍がありますので、気道確 保は注意しないといけないと思います」

試験官1「気道は実際にどう気をつけるの?」

「術前に耳鼻科にコンサルトしてファイバーなどで評価してもらったり、テレ ビモニターつきの喉頭鏡(ビデオ喉頭鏡の名前が出なかった)で見て腫瘍が気道 内にかんとんしたりしなければ挿管します」

試験官1「だから気道確保ができなかったらどうするの」

「テレビモニターつきの....ラリンゲルマスクや....ファイバーや...そういう ので工夫してもやばい場合は最悪覚まします」 (この辺から自分の限界です)

試験官1「じゃあ硬膜外カテーテルを入れた場合どうするの?抜くタイミングと か」

「ヘパリンを術前から一日10000単位皮下注してコントロールする場合、 硬膜外カテーテル挿入の最低2時間前にはオフにしてACTやPT−INRなど の凝固系の値が正常であればカテーテルを挿入しヘパリン再開は挿入後1時間以 上経ってから再開します。カテーテル抜去もヘパリンオフにして最低2時間して データがよければ抜去します」(肺塞栓症予防はよく話題となるわりに重篤な合併症なのに実際に経験したこと もなく診断も難しくわかりにくいので勉強していってよかった)

試験官1「他に予防は?」

「低分子ヘパリンや弾性ストッキング、間歇的空気圧迫、下肢静脈フィルター などです」

試験官1「下大静脈フィルターね。手術中に血圧が急激に低下してエンドタイダ ルCO2も下がりました。どうしますか?」

「肺血栓症、空気や脂肪塞栓症が一番考えられますので、100%の酸素で換 気して血圧が維持できるようにカテコラミンなどで対処します。もしそれで対処 できないような重篤な状態でしたら、MEさんにPCPSの準備ができるように 連絡します」(これだけ肺塞栓のことを繰り返し言っているとあっているのか不安になります )

試験官1「空気塞栓っていってたけどその場合なんかやれることってありますか 」

「CVが入っていたらそこから空気を抜いたり、頭を低くしたりします」

TKAの術後鎮痛

試験官1「術後の鎮痛はどうするの」

「硬膜外が入っていれば局麻の持続注入。全麻だけなら、フェンタネストの持 続静注。モルヒネなら持続静注や皮下注などです」

試験官2「はい、今度は私。2つ目の症例。問題点を言ってください」

症例2

50歳くらいの男性。身長170cm体重75kgくらい。胃の全摘術予定。拡 張型心筋症でEF25%くらい。クレアチニン1.5くらい。そんな感じ。 (もう精神も頭も体力も疲れきってます。拡張型心筋症って何がポイントかなぁ とあせりまくり)

拡張型心筋症の胃全摘・術前評価

「拡張型心筋症で駆出率がかなり下がっています」

試験官2「それで」

(それでって...)

「ああああ腎機能も悪いかと」

試験官2「じゃあどうします」

「透析ですか」 (試験官があわれむような態度をとる。思考回路は停止寸前)

試験官2「どんな検査をしますか」

「ああああ一般的な血算、生化、クレアチニンクレアランスなどおおお」

試験官2「術中のモニターはどうしますか」

「心電図5誘導、血圧、観血的血圧などおお」

試験官2「心臓のモニタリングでは?」

「経食道エコー」

試験官2「胃の手術ですよね」

「肺動脈カテーテルです。肺動脈カテーテルです」

(これをはやく言っていれば良かった)

試験官2「どんなことをそれで指標にしますか」

「肺動脈圧や末梢の循環抵抗など。肺動脈楔入圧、心係数。拍出量など」

拡張型心筋症の胃全摘・麻酔管理

試験官2「実際にどんな導入しますか」

「AOS全身麻酔主体で、硬膜外カテーテルを入れたとしても血圧が下がりす ぎると危険なので術中は積極的に使わず、術後の鎮痛目的で使用します。EFが 低いので」

試験官「じゃあ導入するとしたら」

「プロポフォールやイソゾールだと急激に血圧が下がりやすいのでミダゾラム2.5 から5mgくらい。ジアゼパムなら5から10ミリグラムくらい。フェンタネストを50 から150μgくらい。ベクロニウムを7から8mgくらい使用して急速導入します」

試験官2「セボフルレンはどのくらいの濃度で使用しますか」

「1.5%から2.5%くらいでフェンタネストを適時ボーラスします」

(だめなの?)

試験官2「フェンタネストはいつ入れますか」

「吸入麻酔だけだとバイタルが安定しないような時に適時....」

(だめなの?)

試験官2「肺動脈カテーテルは術後どれくらいいれますか?」

(術後は外科医さんにおまかせなのであまりタッチしないのに)

「集中管理されるのが1-2日くらいでそれくらいですか」

試験官2「術後の鎮痛はどうしますか」

「硬膜外から局麻を持続注入。フェンタネストやモルヒネを持続静注します」

(ずっと同じことを言っているような気がする)

試験官2「具体的には」

「早期離床を考えると運動をブロックしにくい0.2%アナベインを硬膜外から入 れたり、フェンタネストだと1から5μg/s持続静注します。PCAだと病棟管理 の協力体制が・・・」

試験官2「硬膜外から麻薬は入れないの」

「硬膜外から入れてもいいですが、麻薬管理のことを考えると局麻で鎮痛され ているのであればそれでいいかと」

試験官2「はい、わかりました。んじゃこれで終わりです」

沈黙に耐えられず余分なことをかなり言ってしまいました。 同じような質問を繰り返され考えすぎてしまいます。 もうだめだと思いながら実技の部屋へ。

「みるくちょこ」さん:症例問題

実技の部屋に行くと2人の試験管はのっけからちゃんと自己紹介をしていただき笑 顔なのでホッとしました。 テーブルの上には人形とチューブやマスク類がありました。

DAM

試験官「じゃ、この人身長175s体重75sのちょっと大きめの男性。副腎摘出術だから側臥位。大きいから挿管困難が考えられて、やっぱりできなかった。必要な ものありますか。先生はこういうの得意?」 と言ってラリンゲルマスクを指差す。

「こういう器具はけっこう好きです」

試験官「じゃあ。ばっちりね」

「ビデオ喉頭鏡、ラリンゲルマスク。ファーストラック。気管支ファイバーな どです」

試験官「そうそう。じゃラリンゲルマスクの種類言ってみて」

「クラシック、プロシール、ファーストラック」

試験官「あと曲がるやつ知ってる?」

「スパイラルチューブみたいなやつ」

試験官「じゃ手伝うから入れてみて」

「カフをチェックして人差し指で押し込むように持って、自分の腹の方向に力を加えるとスポッと入りますのでカフに空気を入れます。自発があればすでに呼 吸音が聞こえるし、喉に聴診器を当てて位置を確かめます。胸のあがりを見て胸の音も確認します。」

試験官「そうそう。おなかの音聞いてもいいし一応。長いこと横向きの手術だと どうなの?」

「ラリンゲルマスクだとずれてくることがあります」

試験官「そういう確認は?」

「最初からファイバーで見てしまうのもいいし、ファーストラックで挿管してもいいし」

試験官「横向きだけど大丈夫?」

「つらいです」

ACLS

試験官「じゃ、あっちの人形。ACLSのいつのが好き」

「ちょっと前のやつ」

試験官「手術中にこんな心電図波形です。どうしますか」

「Vfなので心電図の電極や脈圧をチェックして確信したらすぐ人を呼んで除 細動機を持ってきてもらい、純酸素にして待っている間心マします。1分間に100 回5cmくらい押し下げて。」

試験官「除細動何回する?」

「3回」

試験官「やってみて」

「これって2相性ですか」

試験官「そう。じゃ200Jで」

離れてといってチャージしてショックする。心電図は3度のAVブロックで心拍数 35に

「3度のAVブロックで徐脈なので経皮的にペーシングします」

試験官「あとは」

「経静脈的に」

CV

試験官「今度こっちのやつでCV入れてみて」

人形にエコーを当てて「何これ」

「頚静脈と頚動脈です」

試験官「頚動脈って」

「内頚動脈」

試験官首振る

「総首動脈」

試験官「目印は?」

「胸鎖乳突筋の胸骨と鎖骨にむかうやつと鎖骨の間の三角の頂点あたりからニ ップルの方向に刺して」実際にやる。

試験官「合併症に注意してやることは」

「空気塞栓にならないように頭を下げる。実際にここを抑える。動脈穿刺。神 経損傷。気胸。」

試験官「換気とかは」

「換気量を減らしたり、息をこらえてもらったり」

BVM(バッグバルブマスク)

試験官「今度これ組み立てて。なにこれ」

「バックマスクで...」 といいながら初めて見るタイプなのでくっつきそうなところにはめてみる。ビニ ール袋みたいなのは多分リザーバーかな。

試験官「弁はどれ」

はそれらしきものを指差す

試験官「そう見たまんま。酸素濃度はどれくらいあがりますか。何リットルくら いで」

「リザーバーがついているので100%近く酸素を10リットル近く流せば」

試験官「OK.じゃもう終わり。お疲れ」

私の覚えているのはこれくらいです。 文もめちゃくちゃですが実際にはもっとめちゃくちゃなしゃべりをしてました。

| HOME | | INDEX |