スミルノフ教授公式ウェッブサイト> 実況!麻酔専門医試験口頭試問>「オットー」さん
最終更新:2007年07月27日
13時50分にポートピアホテルののじぎくに集合しました。 部屋が少しわかりにくいところにあり、ぼくと同じようにどこか分からない方も数人いました。 部屋にはいると多くの方が過去問、麻酔器の始業点検、重症加算などを勉強していました。 試験委員長のI先生から試験の説明がありました。 あまり緊張しないで、いつも通りであれば大丈夫、分からなければ悩まずに次の質問に移って下さいとおっしゃっていました。 試験委員から30分おきに試験会場に移動していくと説明がありました。 この部屋では外部との接触、携帯電話、メールの禁止、パソコンも禁止、私語厳禁、退室も駄目でした。 化粧室に行くときは必ず試験官に付き添ってもらうと言われました。守らない場合は受験資格がなくなると言われ、過去にそうなった受験者がいましたといわれました。 そういわれた時点で、うつ伏して眠る方もいました。受験番号によっては2時間ほど待つことになります。それも無言のままです。
前から3列目の席に座っていたので、試験開始30分後に移動しました。 10人が一緒に移動しました。従業員用のエレベーターに乗り、上の階に行きました。 部屋はA-Jまであり、それぞれ1、2と割り振ってあり、合計20室ありました。口頭試問の部屋と、実技試験の部屋がそれぞれひとつずつありました。 各部屋の前に女性がひとりずついました。 問題用紙を渡されます。彼女たちが5分はかるので、その間に問題を読みます。紙に書き込んでいいと言われました。5分経つと問題用紙を回収されます。 その後、試験官のいる部屋に入ります。 試験官には受験番号、名前をいいます。所属先の病院などは言いません。 今年は2問でした。
症例1
一問目は29歳の女性、156cm、69kgぐらい。Hb12、血圧160/90、尿たんぱく3+、胎児仮死のために帝王切開を緊急で行う。
「はじめにこの症例の問題点、必要な検査、行う麻酔方法は」
「血圧が高いこと、尿タンパクがあり、妊娠中毒症です。血算と凝固、出血時間を調べます。(今は妊娠高血圧症候群と答えないといけないのかもしれません。)胎児の状態を確認します」
「Hb12ですが」
「妊娠末期のため、生理的な貧血です」と答えました。
「そうですね。いいよ」
他には?と聞かれましたが、とくに思いつかなかったら、
「最終の経口摂取を聞くのも大事ですね」といわれました。
「麻酔はどのように行いますか」
「腰椎麻酔、もしくは腰椎麻酔と硬膜外麻酔を併用します」
そのあと、薬の量や、どこまで麻酔を効かすかを聞かれました。
「もし全身麻酔を行うとしたらどのように行いますか」
「酸素を投与した後、輪状軟骨を圧迫して、迅速導入を行います。ラボナールを??mg、サクシン?mg投与します。」
投与量をいくつと言ったか、忘れました。チオペンタールやサクシニルコリンと答えた方がいいようです。
「酸素飽和度が下がり、呼気終末二酸化炭素濃度が下がりました、何を考えますか」
「塞栓症です」
「治療は何を行いますか」
「循環動態の維持を最初に行います。酸素濃度をあげ、血圧を維持できるように輸液、昇圧剤をつかいます」
空気塞栓、羊水塞栓、血栓症の違いも聞かれましたが、良く答えられませんでした。
「術前の管理について質問します」
「輸液を・・・」
ぼくはここでつまずきました。
「循環血液量は増えているの、減っているの」
「増えています」
「これでわたしの方は終わります」
これは間違いですね。体液量は増えていますが、重症の妊娠中毒症では減っていることが多いようです。
二問目が終わってから術後鎮痛のことを聞かれました。 硬膜外を入れていた場合と、そうでない場合、君の病院ではどうしているのと聞かれました。
「産婦人科の先生が行っています。ペンタジンを筋注していることが多いです。」
その後、麻薬を持続注入するならどうしますかとか、PCAについても聞かれました。
二問目が終わってから採点用紙がちらっと見えてしまい、たしか75/100と見えました。 採点は加点方式なんでしょうね。試験管が何とかして点数を上げようとしていたと思います。 だから術後鎮痛について、二問目の質問が終わってから問われたのだと思います。 きっと重症の妊娠中毒症だから、血圧の管理、マグネシウムの投与、中心静脈圧などを答えて欲しかったのでしょう。 そうすればもっと点数が上がったと思います。
症例2
二問目は透析患者の手根管症候群の設定でした。 こちらは比較的スムーズに行ったと思います。 一問目と同じく、問題点と麻酔方法、必要な検査を聞かれました。 透析患者であること、電解質とくにカリウム、腕神経叢ブロックを行い、ラリンジアルマスクで全身麻酔と併用すると答えました。 腋窩法と、斜角筋法のやり方を説明しました。神経刺激を使うこと、穿刺場所を説明しました。
「局麻薬の投与量の違いは」
つまずきました。「腋窩法では少なくします」
ぼくは投与量の違いを気にしていませんが、教科書によっては方法によって量がかなり違うようですね。
「もし研修医と一緒に行うとして、全身麻酔で行います、研修医が筋弛緩薬を使いたいと言いました、どうしますか」
「腎機能が落ちているため、作用時間が延長する可能性があります。原則として使わないけれども、どうしてもというなら筋弛緩モニターを使用しながら、少量のベクロニウムを使います」
「サクシンを使いたいと言われたら」
「駄目ですと言います」
「どうして」
「カリウムが急速に上昇する可能性があるからです」
「どうしてあがるのですかと聞かれたら」
「筋攣縮をおこすため、筋肉からカリウムが放出されるためです」
「そうですね、いいですよ、これで終わります」
2問目の反省は手根管症候群と透析との関係について触れなかったことと、カルシウムについて何も触れなかったことです。 検査で他に注意することはないのと聞かれたときに、おもいつきませんでした。
この後となりの部屋に行き、実技試験でした。 経鼻挿管、ACLS,内頚静脈の穿刺法法、アンビューバックの使い方についての4つでした。 ここでは恥ずかしながら、ぼくが犯した間違いを書きます。
1.「除細動をするときは、始めに胸にパドルを当ててから、チャージをして下さい。 チャージしてからパドルを持つのは危険ですよ。」 どうやらぼくの前の方も同じ間違いを犯したようです。試験官にチャージをお願いしてもいいようです。
2.経鼻挿管で注意することをきかれて、鼻血、鼻の通り具合とこたえたら、しきりに他にはないの、他にはないの。と言われました。 頭蓋底骨折の有無、でしょうか。おもいつきませんでした。
3.アンビューバックの吸気と呼気の弁の場所を答えられませんでした。 試験が終わってから、試験官に説明される有様でした。 かなり落ち込み、がっかりしましたが、合格しました。 ありがとうございました。
感想、反省として、ACLSは試験対策として、講習会に参加した方がいいようですね。除細動器もバイフェージックのもので、最新のプロトコールに従うことが要求されているようです。勉強して受験して下さいと言うことなのでしょうか。
設問はとても良くできていると思います。採点基準も細かいようです。なによりもあれだけの試験官と部屋、準備がとても大変だと思います。麻酔学会のみなさんにお疲れさまと感謝しております。
リフレッシャーコースや麻酔科診療プラクティスは試験勉強にとても役立ちます。とくに「7周術期の危機管理」が口頭試問にはおすすめです。 このホームページもとても役に立ちました。