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最終更新:2005年10月22日

「アイコ13」さん

口頭試験は10月1日15:40「のじぎく」集合の、最後の組だった。決められた席に座り、9人ずつのグループ2つと、残り3人に分けられた。机の上には注意事項を記した書類がおいてあった。 試験委員長のI先生がガイダンスされた。緊張を解こうとしているのが感じられた。 16時より30分おきに各グループが8階のフロアで試験を行った。各30分。

「アイコ13」さん:症例問題

postCABGの低位前方切除術

症例1

75歳の男性。160cm、80kg。高血圧を指摘され、降圧剤を内服している。直腸がんで低位前方切除術が予定された。1日60本40年間の喫煙歴あり。半年前にCABGを受けた。

試験官:この症例のリスクは?

:高齢、肥満、高血圧、虚血性心疾患、喫煙歴、貧血の疑い。

試験官:麻酔法は何を選択するか?

:全身麻酔と硬膜外麻酔。

試験官:その理由は?

:筋弛緩薬を使うので挿管して全身麻酔、痛み刺激による心臓の酸素需要の増加を防ぐため硬膜外麻酔を術中と術後に使う。

試験官:モニターは何を付けるか?

:心電図、NIBP、パルスオキシメータ、Aライン、SGカテ。

試験官:硬膜外麻酔の心臓の酸素需要への影響は?

:交感神経までブロックする高さまで上がると、心収縮力と心拍数が低下する。

試験官:その高さは?

:T1〜4です。

試験官:そこまで上がらないとき、心臓への影響は?

:支配領域の血管が拡張して、相対的なボリュームロスになり、反射的に心拍数が上がると予想されます。そうなると酸素需給には不利です。

試験官:導入を説明しなさい。

:フェンタニル4cc(ん?と聞かれたのでμgで答えなおした)、リドカイン100r、ミダゾラム4r、ベクロニウム1r静注。換気できればベクロニウム7r追加。OSで換気を続ける。開口してリドカインスプレー噴霧、喉頭展開してもう一度噴霧してから挿管します。

試験官:術前の心電図はこれです。所見を述べなさい。定規を使っていいです。

:サイナスリズム、T度AVブロック、rsR'がV1に見られ、左軸変位なので2枝ブロックを疑います。

試験官:大量出血をしました。対応を述べなさい。

:晶質液を全開、次に膠質液、MAP加赤血球の順で点滴します。

試験官:どうなったら輸血する?

:出血量1.3Lか、Hbが8を下回ったら術者と相談して決めます。

試験官:Hbでいいの?急な大量出血のときは…

:Htも参考にします。

試験官:術中に心電図がこのように変化しました。所見と対応を述べなさい。

:V度AVブロック、QRSは25回/分くらいなので、ペーシングします。

試験官: どうやって。

:当院ではSGカテはすべてペーシングリード付きの物を使用しております。(ほうそうですか)ですからえーとこれでしたら…モードはですね…

試験官:やったことあるんですか。

:すみません。V度の方はいままではないです。上の先生でペーシングご専門の先生に教わりながらやっています。その先生にコンサルトします。 (経皮ペーシングと言っとけば良かったかもしれないと思いました。)

「アイコ13」さん:症例問題

フルストマックの帝王切開術

症例2

40歳の女性。161cm、71kg。妊娠37週。今朝、軽トラックに乗車中追突され、病院に搬送された。胎児心拍の低下を認めた。4時間前に食事をしている。妊娠経過に特記事項なし。

試験官:この症例のリスクは?

:高齢出産、肥満、外傷、胎児心拍の低下。

試験官:帝王切開が予定されました。産婦人科に聞いておきたいことを述べなさい。

:児心拍の低下の原因が、胎盤早期剥離でないかを確かめます。しかしそれなら腹痛があると思います。

試験官:術前管理、麻酔法を述べなさい。

:18Gで点滴を取り、糖なしのリンゲル液を流します。 脊椎麻酔で、右側臥位でL3/4から25Gの脊麻針で高比重マーカインを2.3ml使います。ベッドを左に傾けて、へスパンダーを2本まで全開で落とします。

試験官:食事後の時間との関連は?

:帝王切開では食事後というのは珍しくありませんし、マーゲンチューブを挿入することで却って嘔吐を誘発することもあります。食事から事故までの時間がわかりませんが、プリンペランを1A点滴に混ぜます。

試験官:患者が背中からの麻酔を拒否したときの麻酔法は?

:全身麻酔にします。急速導入します。

試験官:その全身麻酔の導入と維持を薬品も含めて説明しなさい。

:全身麻酔を患者に説明して、手術体位をとり、消毒や布掛けをし、術者の手洗いもした後で導入します。吸引を用意します。チオペンタール300mg、ベクロニウム1rのあとサクシニルコリン90r、ドロペリドール5rで導入し、内径7oの挿管チューブを挿管したところで手術を始めてもらいます。その後ベクロニウムを5r静注します。娩出まではGOとセボフルラン1%以下で維持し、臍帯の血管をクランプしたらメチルエルゴメトリンを0.2r静注します。その後はセボフルランを1%程度で維持します。

試験官:嘔吐をしました。どう対応しますか。

:すぐに気管内吸引をします。術者に術後抗生剤の投与をお願いします。

試験官:それから?

:患者の家族に、術後に肺炎で入院が延びるかもしれないと説明します。

「アイコ13」さん:実技試験

隣の部屋には麻酔器と挿管人形、窓際には除細動器と蘇生人形(胸に電極が2個ある)が置いてあった。

試験官:この麻酔器の低酸素防止機能の点検をしなさい。

:学会のHPでダウンロードできる始業点検の項目1〜3、5を忠実に実施した。

試験官:回路のリークテストをしなさい。

:項目8を実施した。

試験官:麻酔器は大丈夫ですね。正常のカプノグラムの波形を単位も含めて描いて下さい。

:省略

試験官:乳房切除の患者に麻酔をしたいのですが、リウマチで首が曲がりません。口も開きません。経鼻挿管に必要な道具を並べ、準備する薬も列挙しなさい。

:気管支ファイバー(ライトと動きの点検も)、内径7oのチューブ、キシロカインスプレー、マギール鉗子、喉頭鏡(口が開かないんですよ)、喉頭鏡とマギールは取り下げます。薬品はフェンタニル、サクシニルコリン、プロポフォール、ドロペリドール

試験官:薬の注入はこちらでやりますから、量の指示をしてください。経鼻挿管を説明しながら実施しなさい。ただし、チューブを進めることだけはしないでください。

:十分な酸素化の後、フェンタニルを100μグラム、ドロペリドールを5r静注し、酸素6L/分をかざし、効いてくるのを待ちます。鼻腔にキシロカインスプレーを撒きます。酸素マスクをかざしておいてください。声帯が見えたのでサクシニルコリン体重分(忘れた)r入れてください。ファイバーを進めます。チューブをそれに沿って進めます(マネだけ)。 (ファイバーから目線をはずしたとき、食道に入ってしまったのでやり直し。声帯のところで止めて試験官に一度見せ、もう一度進めて主気管支を見せてOK)

試験官:チューブの深さは?

:26cm程度にします。

試験官:片肺挿管になったときはどうしますか

:カフエアを抜いて2cmくらい浅く固定します。主気管支をファイバーで確認します。

試験官:主気管支はどうやって判断しますか

:膜様部です(指のマタをさわりながら)。

――――――――窓際へ移動――――――――

試験官:この患者に神経刺激装置の電極を貼り付ける説明をしてください。

:装置の表示を確認しながらPROXがこっちでDISTがここで、尺骨側にこう貼ります。

試験官:TOFの1回目がこの高さでした。50%のとき、4回目の反応の高さを描きなさい。

:縦4個の正方形が左にあり、8個分?くらいが右にあったので、2個分をなぞった。

試験官:同じ患者ですが、術中に心電図変化が起こりました。所見を述べなさい。

:(振幅の少ない)VFか、PEAでしょうか?

試験官:感度を上げましょう。どうですか。

:VFですので、心マッサージをします。(何回?) 1分間に100回のリズムです。15回マッサージに対しアンビューバッグで2回呼吸させます。

試験官:外科医はどこかへ行ってしまいました。イニシアチブをとって処置をしてください。説明しながら行いなさい。

:気管チューブの位置を聴診で確認します。点滴ルートはありますね。エピネフリン1r静注してください(いらなかったかな)。除細動器を持ってきてください。

試験官:除細動器来ました。指示してください。

:200Jにセットしてください。チャージしてください。離れてください。ぽちっ。 VF→300J→VF→360Jを繰り返した。

試験官:心電図変化がありました。血圧は60/40です。所見は?

:蘇生後ですのでDOAを5〜20γで流します。PSVTでしょうか?…あ、AFのTachyです。

試験官:指示しながら処置して下さい。

:100Jで、同期してください。チャージお願いします。離れてください。ぽちっ。

試験官:(NSRに戻った)血圧も戻りました。

:ではDOAを下げます。

「アイコ13」さん:感想とアドバイス

筆記試験に関しては、過去問を6年分やりましたが、A問題の一部を解くのに役立ったと思いますが、BとCは新作で、思ったより有用ではなかったかもしれません。しかし考え方を理解したり、自信がついたような気分にはなったりはできます。近年の学会発表のタイトルや抄録に目を通しておけば、もうすこしできたと思います。

口答試験は他のグループの症例よりもコモンな症例に当たってラッキーでした。

麻酔器の点検は、前日に初めて1回だけ、すべて通してやりました。 ACLSは3年くらい前にコースを受講していたので、ラクでした。土日2日間を費やすことになるでしょうが、試験のためだけでなく受ける価値はあると思います。急変への対応の指針になります。  実技試験は、生涯教育ハンドブックのP77〜79以外は出ないだろうと予測していたらその通りでした。出題基準がわかっていれば、安心材料になります。

私は2年前に旧制度の筆記に落ちていました。そのときは過去問を2年間分くらいやっただけで、ナメまくっておりました。前日に肉食って酒飲んで寝てしまい、まあ順当に不合格だったのです。

昨年は標榜医になってからの期間が2年間に数日足りず、応募できませんでした。標榜医申請をなぜもっと早くやらなかったのかと悔やみました。

今年は乳飲み子を抱えた妻が怒り出す寸前までやりました。それだけに試験結果のPDFを開くときは緊張しました。結果オーライですね。

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