スミルノフ教授公式ウェッブサイト実況!麻酔専門医試験口頭試問>「おーのっち」さん

最終更新:2005年10月22日

「おーのっち」さん

AM8:10にポートピアホテルの「のじぎく」に集合。 部屋の中に4*9=36人の受験者がいて、ここでは入り口側に座っている9人づつ、順番にホテルの業務用エレベーターで8階に案内された。9人がそれぞれ用意された部屋の前の椅子に座ると、お姉さんが症例の用紙をくれる。「5分間読んで下さい、用紙への書き込みは自由にして結構です」と、この限られた時間内に、聞かれそうなことについての回答のメモをひたすら書きまくった!! が、あっという間に時間は過ぎていき部屋へと案内されるのでした。

「おーのっち」さん:症例問題

褐色細胞腫の腹腔鏡下副腎摘出術

症例1

50代、褐色細胞腫(直径3cm)で高血圧、UVaVfでST低下がある。腹腔鏡下摘出が予定された。

1 この患者さんの問題点を重要な順に挙げてください

:pheochromocytomaによると思われる高血圧、UVaVfでST低下、ラパロのopであること、肥満

試験官:ラパロは何故?

:術者の腕次第だけれど大出血の危険性、気腹による合併症があるからです

試験官:肥満??

:は、ありませんでしたね、、、pheoなので痩せているのでしょうか、、、   (紙に「肥満(-)」と書いたのを(+)と勘違いしてしまった)

2 必要な検査は?

:血圧の頻回な測定、一般的な採血にカテコラミン3分画、耐糖能低下があるのでA1cとtages、頭の血管が気になるので頚部エコー、cardiomyopathyやIHDの可能性があるのでECGとトレッドミルと心エコー、腎機能としてCcr

3 麻酔法はどうしますか?

:挿管全麻AOSとエピ、笑気はラパロなので使いません。

試験官:エピはどこから?

:openならT8-10あたりから、ラパロのときは術者がメインの皮切をおく所にいれることにしてます。

4 必要なモニターは?

:スタンダードモニター(ECG5極、SpO2,NIBP、ガスモニター、筋弛緩モニター)、A、CVP、心機能が怪しそうならTEEを入れます。

5 術中BPとHRが急上昇しました。何を考えどうしますか?

:腫瘍の圧迫などの操作によるカテコラミンの分泌だと思います。 術者に操作を一時止めてもらい、副腎静脈のligationを出来る限りしてもらいます。あとはフェントラミンを1/10AづつIVします。これでrateが更に上がるので、 rate controlにβblockerを使います。

試験官:βblockerは何を使いますか?

:ランジオロールを使います。(doseについては聞かれなかった)

6 摘出後にBPが下がりました。何を考えどうしますか?

:摘出でカテコラミンの異常分泌がなくなった事と、今までの分泌のために down regulationが起こっていたため、カテコラミンのサポートが必要です。 あとCVPやTEEを見ながらvolumeを送ります。

7 術後の鎮痛はどうしますか?

:エピから0.2%ロピバカインを3-5cc/hで、これで痛がるなら塩モヒを3-5mg/dayで混ぜます。

8 エピが術中効いていない様ならどうします?

:普段はopが終わった時点でtubingし直します

試験官:ではエピが困難で入れれなかったら?

:フェンタネストをシリンジポンプで25-100μ/hで持続静注します。 IV-PCAはやった事がありませんし、病棟のダメさ加減を考えるとちょっと厳しいいです。

脳梗塞でTURP

症例2

80代男性BPH(50g)でTUR-P予定。脳梗塞の既往があるが現在は神経学的所見なし、アスピリン(81?)を内服していたがop3日前に止めた。

1 この患者さんの問題点を重要な順に挙げてください

80代と高齢である事、脳梗塞の既往で抗血小板薬内服歴、50gと大きい事

2 uroのDrからアスピリンをいつ止めたら良いか相談されました。どう返答しますか?

:ASRAのguidelineではエピやスパイナルをやるときも止めなくて良いことにな っています。 実際の臨床ではlegalな問題を考えて、2週間くらい前からとめてしまうと思います。今回は3日前で十分なのではないでしょうか

試験官:何故2週間?今回は3日でいいと言ったのは何故?

:アスピリンが不可逆性であることから完全に影響を排除するなら2週間、でも3日もあければ、アスピリンに暴露されていない血小板が、ある程度産生されていると思いますので。

3 麻酔法は

:術者に聞いてすぐ終わるようならスパイナル、 長引くようなら、または術者が下手そうならエピスパでします。

試験官:全麻にしないのは?

:TUR症候群があるので意識レベルを見たいのでawakeでします。 もし全麻でするなら術中まめに採血をします。

4 術中、患者が不穏、多弁になり、還流液の戻りが悪くなりました。何を疑いどうしますか?

:まずTUR症候群を、あとは大量出血と穿孔、麻酔レベルの低下

試験官:ではBPが上がりHRが下がってきました。どうしますか?

:採血してみてHbとNaの低下を見ます。

試験官:ではTURsyndでした。どうしますか?

:術者に言って、止血をしてすぐに終わってもらいます。 あとラシックスで水を引く事と、生食、高調Naで補正です。 酸素化が悪くなれば挿管します。

試験官:急いで補正するとどうなりますか?

:橋の脱髄が起こります。

口頭試問が終わった時点で「先生はpheoとTUR-Pをどの位やったことがあるの?」と聞かれ、「pheoは3例、2例ラパロ。TUR-Pは100例くらい。TUR症候群で挿管した事も1回ある」と答えたら驚いていました。 「元々、いわゆる負け組の医局出身なので」と言ったら失笑されました。 負け組医局なら5-6年やって、この位が普通かと思っていたのですが、、、

と、口頭試問は割とあっさりクリアできました。 というのも、スミルノフ教授のサイトの、過去の受験者達が聞かれた症例と、学会で発表していた昨年の症例問題を全てチェックしたからです。

口頭試問の部屋を出た時点では「楽勝!」と思っていましたが、 それが甘い考えであることを、実技の部屋で思い知らされたのでした。

「おーのっち」さん:実技試験

部屋へ入ると、まず左に挿管人形と、その道具一式、人形の右側にIMIの麻酔器、部屋の右側に紙と鉛筆、窓際に蘇生人形(レサシアンだったと思う)と日本光電の除細動器

試験管が(おそらくアドリブで)症例を説明する

「70歳、170cm70kgの男性、coronaryの病変(忘れた)があり心機能が悪い患者にPDが予定されました。」

1 どんな麻酔法でモニタリングはどうします?

:挿管全麻+エピ、AとCVPとTEE(retroに考えると、きっとPAカテって答えて欲しかったのだろう)

2 じゃあ、まずは麻酔器の始業点検を低酸素防止の観点からやってみてください

:(これもスミルノフ教授のサイトにあったなあ)酸素と笑気を流して、酸素を止めて、笑気が下がる事を確認、さらに酸素パイピングをはずして笑気が遮断される事を説明した。

試験官:他には無いですか?

:他に?(麻酔器を見渡すと、10*10cm位の白い箱があり100%とか21%とか書いてある)これはO2モニターですか?

試験官:そうです。

:じゃあroom airで補正します。

3 リークテストをしてください

:10LでO2を流して30mmHgでバッグを押して40までチェック、その後30秒5mmHg、、、(と説明しながらやってみる)

4 じゃあ、挿管に必要な道具を用意して説明しながら挿管してください。

:とりあえず挿管の準備をする。試験なので喉頭鏡の点灯、とスタイレットをいれてカフのチェックもする。ここで固定のテープが無い事をしてきした。しかし吸引の類がない事には気が付かなかった。普段どおりまずAlineをいれてから酸素化、フェンタ、ドルミカムをいれて換気の確認後にVb、筋弛緩モニタを見て挿管と説明した。(挿管は実際にしましたが、マスク換気を、本当にするようには言われなかったのでやらなかったのですが、良かったのでしょうか?) 換気の確認をした。

5 じゃあ、換気の確認という事でEtCO2の波形を紙に書いて下さい

:書いた

6 心機能が悪いのでPAカテを入れましょう。やってください。

(エドワーズの古い、CCOさえも計れなさそうなのを渡された)

:カテの準備をして消毒の範囲を説明して刺すまねをした。

試験官:体位はこれでいいですか?

:頚部を進展してhead downにします。(普通の机に置いてある人形だからそんな事は考えもしなかったよ!)

試験官:肩枕は?

:入れましょう(普段入れていないけど)

試験官:カテの向きはこれでいいですか?

:左回りになるように入れます(使い古されたカテなので湾曲なんかほとんどねえじゃねえか!)

7 カテの深さと圧波形を紙に書いて下さい

:a,c,v,x,yとかもですか?

試験官:そこまでは書かなくていいです

:書いた。

8 bolusでCOを計って下さい。まあ今の若い人は無理かな?

:青のCVポートから5%Gluを5-10cc入れて、こことここの(途中と先端の)温度センサーで、、、と、サーモダイリューションを説明した。(私は若くないし、場末の病院でテルモのすごく安いカテでやったことがある)

9 では術中心電図がこんな波形(Vf)になりました。どうします?

:pulse checkをしてAlineをみて脈が無ければ、除細動器を持ってきてもらい除細動します。

試験官:その間にやることは?

:心マしましょう。(圧迫部位、回数、押す深さ、圧迫と解除のタイミングを説明)

試験官:換気はどうしますか?

:(えー?)、挿管しているので心マと非同期で10-12回/minで純酸素で(ここでは換気の確認からしなくてはいけなかったのでしょうか?普通ならEtCO2とかずっと見てるから端折っちゃうと思うけど、、、また、最初に他の麻酔科医も呼ぶ、と答えるべきだったのでしょうか?)

試験官:除細動器がきました。

:200Jで除細動しましょう(ACLSの要領で離れてもらって、300、360Jで除細動した)

試験官:ではこんな波形に変わりました。(3度block)

:(radialを触知しつつ)脈は?(頚動脈を触知するべきだったのでしょうか?)

試験官:あります。血圧は、、、(低かったが数字は忘れた)

:ペーシングできる除細動器なので経皮ペーシングします。

と、どこまでやればいいのかわからないまま実技は終わりました。 口頭試問よりも実技の方が難関だと他の受験者達も言っていました。 始業点検以外も、直前に病院内でシミュレーションしたほうが良いと思いました。 合格者速報をみると試験には通りましたので、よほどのことが無い限りは通るという事でしょうか、、、

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