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最終更新:2005年10月10日

「すぎお」さん

本年度の筆記試験はこれまでとは大きく傾向が変化していました。A問題は過去問に関連した内容が多く ありました。ただし微妙に選択肢を変化させており、ますます判別つきにくくしている感じです。B、C 問題になると、「試験委員、おまえらはバカか!?」や「ぼけぇ!!」と心の中で叫ばずにはいられな いような内容でした。往々にして被試験者は、試験問題が難しいと感じるときや、実際できが悪いとき は自らの勉強不足を再認識したり、自己の能力を卑下した表現をつかうことが多いのでしょうが、この 試験に関してはその必要はありません。最大の問題点は、日頃から勉学に励んでいたり、今回の試験に 向けて十分な対策を行っていても、結果に反映されないことです。試験の意味がありません。ただただ 、問題作成者の作り出した微妙な価値観の中で繰り広げられる事ばかりで、明らかに複数解答が存在す るような問題もありました。なんていうんですかね〜、学生さんの試験問題を作ってるときに「この問 題、去年は正答率が7割近くあったんで、くやしいからもっと難しくしよー」とほざく麻酔科医が近く にいたりしますが、まさにこんな奴らが年喰って、肩書き増えて、試験委員になっているんだなと、確 信しました。 結局、不適当問題が多くなったのではないでしょうか。

あまりに腹がたったので前置きが長くなりすみません。

「すぎお」さん:口頭試問

すでに掲示板にあるように、従業員用エレベーターを上り口頭試問会場へ。 担当の女の子は推定20代前半、夕方になり疲れているのが見て取れました。 紙を渡され、見ると2症例分の問題が書いてあります。メモをしても良いとのことでしたので気づいた ことを書き込みました。

部屋に入ると雑誌等で名前をよく見かける先生方が二人。

postCABGの低位前方切除術

症例1

75歳ぐらいの男性。肥満。低位前方切除術を予定している。数ヶ月前にCABGの既往がある。喫煙歴が 長く60本/日を40年くらい。(だいたいこんな感じでした。)

試験官A:では早速ですが、問題点はなんですか?

:高齢、肥満、CABGの既往、喫煙歴です。

試験官A:ま、全部ね。

:はい。

試験官A:え〜と、では、麻酔方法は?

:全身麻酔と硬膜外麻酔を併用します。

試験官A:具体的に説明して、導入は?気をつけないといけないことある?

:麻酔導入に際して循環動態変動を最小限にする必要があると思います。

試験官A:ふんふん、では、具体的な導入方法を説明して。

:まずフェンタネストを100μから200μグラムを、血行動態を確認しながら静脈内投与します 。

試験官A:はい、それから?

:ベンゾジアゼピンを2.5から5ミリグラム投与します。

試験官A:それで?

:ベクロニウムを8ミリグラム投与して、筋弛緩効果を得た頃に、モニターで循環動態変動を観察し つつ、喉頭展開して気管挿管します。

試験官A:血圧あがったらどうしますか?

:プロポフォールを30ミリグラム程度投与します。

試験官A:ふ〜ん、はい、では手術中に心電図がこんなふうに変化しました。診断して。

ここで誘導と心電図波形だけが書かれた紙を渡されました。手術開始時?と途中に変化したという2種 類です。

:術前は徐脈で、脚ブロックがあります。

試験官A:脚ブロックはどっちの?

:右脚ブロックです。

試験官A:どのように変化しましたか?

:え〜、房室ブロックの、

試験官A:ほう。

:三度房室ブロックです。

試験官A:そしたらどうする?

:これはページングの適応ですから、この症例の場合であれば体外ペーシングを行います。

試験官A:そうですね。そんなところですかね。では私は終わりです。

:(えっ、もう終わり?なんか優しい先生でラッキー!)

フルストマックの帝王切開術

症例2

40歳の女性。妊婦。妊娠週数は末期。車を運転中に追突された。外傷はなく意識も清明。胎児心音が 低下してきたので緊急帝王切開となった。食後4時間。

試験官B:はい、じゃあ、この症例の問題点は?

:妊婦であること、症状はないけど交通事故後であること、胎児仮死が示唆されること、フルストマ ックであることです。(問題文に並んでいるとおりに答えました。)

試験官B:そうですな。フルストマックはなんでなの?

:(なんで?)え〜、妊婦であることと、事故後であるためにフルストマックである可能性は高いと 思います。

試験官B:事故が起きて、蠕動運動が止まってるという意味ね。

:は、はい。

試験官B:でーは、麻酔は?脊麻や硬膜外麻酔する?

:胎児の状態が許すならば、術後鎮痛のために硬膜外チュービングはしたいところです。

試験官B:もちろん凝固系の検査などをしてからね。

:はい(なんて優しい先生なのだろう。)

試験官B:それと気にしなければならないことない?ほかに。

:目立った外傷がなくても神経学的検査は最低限必要と思います。

試験官B:そうそう、脊髄損傷の可能性がありますね。気をつけてね。はいでは、挿管するときは?なにか特 別な方法でしますか?

:(A先生もだったがさらにB先生は誘導に次ぐ誘導。)輪状軟骨圧迫をしながら急速導入します。

試験官B:はいはい。そして、それでも嘔吐しました。どうしますか?つまり誤嚥しました。

:(誤嚥しないように説明したが、誤嚥後の対応を聞きたいのかな?)気管内吸引します。

試験官B:そうね。いっぱい出てくるね。

:はい。それから挿管したまま集中治療室で管理することになると思います。

試験官B:抗生剤とかステロイドとかは、どうする?

:(似たような症例を見たことがあった。しかし優しい誘導だ。)抗生剤を開始すると思います。

試験官B:この人は助かりますか?

:誤嚥性肺炎から感染症などを併発して重傷化する可能性もあると思いますが。

試験官B:じゃあ、死んじゃうの。

:いや、一般的には助かると思います。

試験官B:はい、じゃあ、これで終わりです。

と、誘導、指導、様々な手助けの中、口頭試問は終了しました。 問われる内容も一般の臨床に携わっていれば必ず経験していそうな内容でした。

「すぎお」さん:実技試験

口頭試問を終えて、またまた廊下の椅子でまつこと5分。 実技試験が始まりました。

試験官A:今回はなにか勉強してきましたか?

:麻酔器の点検など。

試験官A:では早速、点検してみて。

:(いわゆる始業点検を行った。コンプレッサーから配管されていて、酸素も笑気もでることになっ ている。)

試験官A:はい、ごくろうさん。では次に経鼻のファイバー挿管やって。したことある?

:何度かあります。

試験官A:じゃあ、いつも通りしてください。

:(麻酔導入、鼻腔の消毒、チューブ挿入、ファイバー操作、普段通りに行いました。)

試験官A:はい、ごくろうさん。では次は二酸化炭素濃度計るよね?波形はどんなの?単位もね。

:(紙をわたされるので、そこに模式図を書いた。)

試験官A:はい、ごくろうさん。では次は筋弛緩モニターね。つかったことある?

:はい。

試験官A:方法説明して。

:電流を上げながら単回刺激を行って、だいたい40から50ミリアンペアで十分な収縮がおきるの で、その程度の刺激電流で四連反応を観察します。

試験官A:患者が寝てから刺激はしてね。痛いから。

:はい。

試験官A:では、四連反応比0.5を図に書いて。

:(棒グラフを書かせられる。)

試験官A:はいごくろうさん。私は終わりです。

試験官B:(疲れていた。)あ、では、こっちにきて、蘇生人形でACLSね。

:はい。

試験官B:講習会でたことある?

:(ICLSのインストです。)はい。

試験官B:じゃあ、こんな波形を認めました。先生が麻酔中ね。血圧下がってきて、みてたらこんなでした。 なんですかこれは。

:脈をふれても触知せず、これまで自分が麻酔管理中だったとして、リード接触不良、電気メスなど 、ノイズになっている原因がないとすれば、心室細動だと診断します。

試験官B:じゃあ、どうする?除細動器は今持ってきているところだとしたら。

:心臓マッサージをします。

試験官B:やってみて。

:胸骨下縁から一横指上付近に両手を重ねて一分回に100回のペースで押します。呼吸は、この場 合はベンチレーターを使用します。

試験官B:はい、じゃあ、除細動器がきました。

:200から始めます。(360Jまでやって、3回目に洞性脈) その後、心房細動の頻脈の除細動をして、終了しました。

「すぎお」さん:考察

口頭試問、実技試験どちらも非常に一般的な話が中心で、前日の筆記試験とは大違いでした。基本的と はいえ、日頃していないと即答できないような質問でした。制限時間が一人の試験官につき15分間と いうこともあり、即答でなければスムーズには進まないのかもしれません。つまり、枝葉に突っ込まれ ず、流れに乗れば大きな減点無く終了するということでしょう。試験管がなにを聞きたいのか、これは 話し方や語尾でいろいろと想像をかき立てられますが、あまりそこには注目せず、この掲示板で多くの 先人たちが書き残していることや、日頃の臨床を「同僚」に説明するような気分で(もちろん丁寧語) 話せば、緊張せずに済むように感じました。

「すぎお」さんのアフター

試験会場のそばの「クオリティホテル神戸」から徒歩2分。中華料理店(名前忘れた。でも近所にはそ こしかない)でバイキングを食べました。980円と安価なわりに適切な味付けで種類も多く美味しか ったです。結局、二晩続けて食べに行きました。ウェイトレスさんはチャイニーズでした。

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