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最終更新:2004年12月9日

「じんじん」さん

3時間も早く会場入り。ロビーで周囲の人たちの会話に耳をそばだてるが、内容が高度……。もしかして勉強不足?と、あせって教科書を乱読し余計混乱に陥る……。待合室では緊張がピーク。試験官の説明が始まるが頭は真っ白。「試験は知識だけを評価するわけではない」との言葉だけが残る……。態度には気をつけた方がいいらしい。

「じんじん」さん:症例問題

ドアの前で症例の紙を渡される。5分間で読んでくださいと言われ、暗記しないといけないの? と誤解しパニックになる。(気弱なもんで、回収されるのか聞けませんでした)前の人が出てきて症例の紙を持っているのを見て安心。おかげで緊張が解けました……。

喘息患者のイレウス手術

症例1

身長152cm?、体重48kg(中肉中背でした)。4時間前より腹痛があり受診。イレウスの診断で緊急手術になる。喘息の既往があるが、1年間発作はない。血圧90/50?mmHg、心拍数128/min。末梢Vライン、右鎖骨下VにCVライン、イレウス管が入っている。

イレウスでイレウス管を入れてあるなら、様子は見ないの? イレウス管が効いていないの? 穿孔をうたがっている? 待てないほど状態が悪い? とか余計なことが頭に浮かんできましたが部屋に入ったらすっきり忘れていました。

A先生からの質問だけでした。わからなくなると誘導してくれたのでとても助かりました。

1)麻酔前評価……リスクはなんですか?

「高齢、イレウス(フルストマック)、緊急手術、喘息、ショック状態、 (「ラインを取ってすぐ入室してきた」といわれたので)CVによる気胸です。」
ショック状態?といわれたので「普段の血圧を参考にしないとわかりませんが・・・」とちょっと弱気になりました。

2)麻酔法と手術前処置について

「麻酔法・・・AOS、前処置は・・・イレウス管を吸引する」
麻酔法については硬膜外麻酔はどうする?と突っ込まれました。「この状態だと穿孔の可能性もあり、下部消化管の時はエンドトキシン吸着を行ったりする(抗凝固をする可能性)ので外科医と相談して決めます。また、入れたとしても腸管蠕動を亢進させる恐れがあるので使わない」と答えました。前処置については、H2ブロッカーはどうする?とか胃管はいれないの?とか聞かれました。「H2ブロッカーは考慮はするが効果は疑問です。胃管はイレウス管と同時に入れたことはないのでわかりません。もし胃内容を引くならイレウス管を引いてきて吸引と思います。」と答えました。

3)導入の方法

クラッシュインダクションと意識下挿管について、薬の種類、量、具体的方法を聞かれました。
「クラッシュインダクションについては導入前にAラインを取ります。酸素6リットルで3回深呼吸をしてもらうか、3?5分まって脱窒素化してから導入します。ヘッドアップにして、クリコイドプレッシャーをして、ケタミン50mgを様子を見ながら投与、意識がなくなったらサクシン50mgを投与します。効いてきたら挿管します。意識下挿管については薬はこの体格ならキシロカインスプレーのみでいけると思います。壮年の男性であればプロポフォールを10mgずつ様子をみながら使いますが。」
プレクラリゼーションについて、サクシンのみの時に合併症についても質問されました。私の答えはプレクラはそれ自体が胃内容の逆流を生じることがある、サクシンも胃内圧を上げるので誤嚥の可能性がある、でした。

4)だんだんとSpO2が下がってきました。何を考えます?

ここまで順調でしたが、やはり落とし穴が待っていました。
「純酸素にして回路の点検、術野の血の色や皮膚の色調を見ます。SpO2が本当に下がっているようならおそらく喘息発作だと思いますのでwheezingが聞こえら・・・」、と試験官Aが「聴診ではwheezingは聞こえません」、「・・・」喘息発作と思い込んでいたので次の言葉がでませんでした。一瞬、肺梗塞?とも思ったのですが換気ができなくなってきていると先に言われ、しばし沈黙。試験官の先生が誘導してくれなければここからメタメタになるところでした。先入観、先走りは禁物ですね。そのあと緊張性気胸の診断と処置について聞かれました。

術後ベンチレーターの設定はどうします? 術後鎮痛はどうします?

レスピレーターといってもな?と考えつつ、SIMV+PS。TV450ml、回数10から12/分、PEEPは3、PSは5と取り合えず自分の常識的な設定にしてみました。I:E比を答えるのを忘れていたので聞かれました。
術後鎮痛については持続皮下注をフェンタネストを使ってと答えましたが、吸収がいまいちだよねといわれたので、今の病院では持続静注やivPCAはスタッフが慣れていないのでと話しました。

風邪症候群の小児の麻酔

症例2

男児。身長120cm、体重17kg。斜視手術を予定。普段から風邪をひきやすい。現在は発熱、咳は認めないが、鼻汁がある。

B先生が質問役でした。A先生と同じくある程度までは誘導をしてくれました。ここ数年、小児といえば元気な子のソケイヘルニアだけだった(術前診察もほとんどなしだった)のでしどろもどろの返答でした。

1)風邪かどうか、どうやって判断しますか? 風邪のときには何が起こりやすいですか?

「咽頭をみること、血液データーで白血球とCRPが上がってるか見ます。風邪の時は喉頭痙攣の確率が上がること、術後の呼吸器系の合併症が高くなること」

2)麻酔を引き受けますか?

「(これぐらいなら多分受けるな?と思いつつも)基本的には延期します。風邪の引き終わりだったら、リスクを説明の上どうしてもといわれたら引き受けますが、引きはじめだったら風邪の程度の予想がつかないので。」
「絶対に?」と突っ込まれたのですが、「急がない手術だから。安全が大事です。」と答えました。

3)小児の術前診察で何を注意しますか

これは全く思いつきませんでした。「子供と仲良くなること・・・」とボケをかましてしまいました。場が和んだのでよかったですが……。先生の誘導では、精神・身体の成長、先天性疾患(遺伝病)の有無が解答だったようです。

4)麻酔法は?

「GOSのスローインダクション。維持もGOSです。」

5)この手術で起こる合併症として何が考えられ、どう対処しますか?

「眼球圧迫による迷走神経反射がおこると思います。対処は術操作の中止とアトロピンを0.02mg/kg静注します。(あとで気付きましたが0.01mg/kg が正解ですね。)」
「その反射の名前は?」といわれ眼球……なんだっけ?すなおに「憶えてません。」
「oculocardiac reflexって有名な名前がありましたよね?」、「はい」

そのほかに悪心・嘔吐が起こりやすいこととその対処、起こしやすい薬物など聞かれました。 子供に制吐剤を使ったことがほとんどなかったので、「研修時代に小児眼科の手術のときに少量のデイプリバンを最後に入れていました。」と答えました。またPONVを起こしやすい薬は「笑気と揮発性麻酔薬とケタミンと・・・」でオピオイドのことをすっかり忘れていました。

最後は少し雑談風になり、今の病院では子供の手術はどんなものがあるか? とかその麻酔法について質問されました。

「じんじん」さん:実技試験

別の部屋でやはり2人の先生が試験官でした。入室してから冗談も言ってくれて和やかなムードでしたが……

1)150cm、48kgの乳がん核出術の女性に麻酔をかけます。研修医に挿管の準備と方法を教える

最初は絶対に麻酔器の始業点検と決めてかかっていたので、あわてました。準備は問題なかったのですが、薬の投与スピードで突っ込まれ、しどろもどろに。その後、痛恨の片肺挿管!深すぎると思って見ていたんだけど……と言われ、「聴診では問題なかったのです」と返答したら、先生も聴診して「片肺だよ!」と言われてしまいました。自分でももう一度聞いたら左右差がありました……。返す言葉もなく「スミマセン……」で終わりました。

2)ダブルルーメンチューブ(ブロンコキャス)を組み立てて、正しく挿管する。

これは組み立てて、挿管して聴診、チューブがどちらに入っているかあたりをつけてファイバーで確認 で、大丈夫だと思います。(聴診は後でも良い?)

3)ACLS(BLS⇒モニターつけるとVf⇒3回の除細動で洞調律)

ACLSのコースにでていたのでなんとかという感じでした。一度人形相手にシュミレーションしておいた方が良いでしょう。ACLSコースにくらべると誘導がなかったり、項目をとばしたり、流れを止めて質問されたりと、ここは難関だと思います。

4)胃切の患者。麻酔はGOS+Epi。麻酔は浅め。大網の血管処理中にST↑。⇒診断、対処は?

状況設定からcoronary spasm だと思いますが、持っていた教科書にこれといった治療が載っていなかったので憶えていませんでした。幸い一度経験していたので、そのときにしたことを思い出しながら「ミリスロールを静注して、昇圧剤を入れて…」みたいな感じで答えました。誰か正解を教えてください!

「じんじん」さん:終わってみて……

外傷や腎不全、肝障害あたりがでたらアウトだったので、運良く知っていたところが出てくれたので助かりました。また、試験官の先生にも恵まれたと思います。ホントに。

反省としては……試験会場で周りの声を気にするのはやめたほうがよかったです。テスト問題でも聞ければと考えてのことでしたが、勉強不足だった私にはわからない分野の方が多く、ドキドキでした。あと、ホントに麻酔をしているか? ということを確認するような雰囲気を感じました。いつも真面目に仕事をしていれば大丈夫!?なんでしょうかね。ちなみに……私は受験票を捨ててしまったので、受かったかどうか確認できません!(アホや!)

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