スミルノフ教授公式ウェッブサイト> 実況!麻酔専門医試験口頭試問>「かのん」さん
最終更新:2003年11月3日
前夜緊張のあまりか夜中に熱発し、ホテルの方に風邪薬を持ってきてもらう不始末をしでかした私。やばい空気の中部屋の前にある椅子に座らされ、症例2例を渡された。
症例1
75才男性。身長体重は忘れた(痩せていた)。胃全摘予定。BUN50 Cr1.5 K4.5くらい。
試験官:この患者の麻酔法は何にしますか?
私:全身麻酔と硬膜外麻酔で行ないます。
試験官:それはなぜですか?
私:胃全摘は皮切部位も侵襲も大きいですし、全身麻酔が良いと思います。硬膜外麻酔で鎮痛を図り、全身麻酔との併用にて各麻酔薬の使用量を減らせると考えます。
試験官:ふーん・・・では、この患者で注意すべき点、問題点はなんだと考えますか?
私:腎機能の低下、高齢で痩せていることです。
試験官:それに対してどう対処しますか。
私:腎機能が低下しているので、Kフリーの輸液を使用します。A-Lineをとって、電解質をまめにチェックできるようにします。心電図にも注意します。尿量を維持できるようドーパミンの使用も考えます。薬物の残存にも留意します
試験官:それでは、麻酔導入、維持に何を使いますか。
私:チオペンタールにて鎮静し、ベクロニウムにて筋弛緩を得ます。維持はGOSで・・・
試験官:GOSですか?
私:あ、間違えました。GOIです。
試験官:なぜですか。
私:セボフルレンはソーダライムと結合してコンパウンドAを生成し、腎障害をきたすといわれていますので、イソフルレンを使います。
試験官:筋弛緩薬はベクロニウムを使うんですね。なぜですか?
私:作用時間が短く、肝代謝で、老人ですし循環動態に変動をあまりきたさないからです。
試験官:じゃあ、サクシンはどう?
私:・・・いや、使わないです。
(なぜかここら辺から急に頭がまっしろけになってきた私。)
試験官:どうしてですか?
私:・・・・・・・・忘れました。
試験官:サクシンの作用機序は、どうなってるの?
私:神経筋接合部で、なんたらかんたら・・・(一応説明した。でも舞い上がっている。K関係の説明ができなかった)
試験官:サクシンは使ったことある?
私:いや、ないです。
試験官:へえ〜〜〜使ったことないの。病院にはあるの?
私:置いてはあると思いますが、見たことがないです。
試験官:へぇぇぇぇ、君、どこの大学??
私:○○大学です。
試験官:それじゃあ、時間がないから先行きますよ。術中Kが6.5と上がってきました。どうしますか?
私:GI療法を行ない、過換気にして、カルチコールをうったりします。
試験官:GI療法を詳しく説明して下さい。何をどれくらい使うの?
私:20%ブドウ糖500mlにレギュラーインスリン40単位入れてK値をみながら点滴します。(舞い上がっている。たぶんこう言ったと思うが、まちがってますよね?)
試験官:それから?
私:イオン交換樹脂を使用したり、さらに効果がない場合は透析を行ないます。
試験官:イオン交換樹脂を詳しく説明して下さい。
私:ケイキサレート、を、えーと、えーと・・・
試験官:知らないんですね。では次の症例いきましょう。
症例2
5才男児。睡眠時のいびきがひどく、扁桃摘出術予定となる。体重20kg。気管支喘息の既往がある。
試験官:前投薬は何をどれくらい使いますか?
私:セルシンシロップなら7mgくらい、搬入1時間前に内服させます。
試験官:それは多いの、少ないの?
私:少ないです。
試験官:どうして?
私:ヘビーな前投薬で呼吸抑制をきたさないようにです。
試験官:この患者で気をつけることはなんですか。
私:喘息発作が一番最近でいつなのか、どういった治療で治るのか、挿管可能かどうか、です。
試験官:そう。挿管チューブはどんなのをどんなサイズで準備しますか。
私:スパイラルチューブの、サイズは内径5.5か6.0を準備しますが、胸部X線写真に合わせてみて袋を開けます。(←いわなきゃよかった)
試験官:スパイラルチューブはどうして使うの?内径が狭くなるでしょう?それに胸部写真は実際とは違うんじゃないの?
私:麻酔器が下がらなくてはならないし、折れ曲がると危険だからです・・・。
試験官:ふうん。じゃあ、導入はどうしますか。
私:チオペンタールと、ベクロニウムで・・・
試験官:チオペンタール???
私:あ!喘息なので使いません。ジアセパムを・・・
試験官:この子は点滴をとってきてるわけ?(←そんなことはなにも書いてない)5才だよ。
私:取ってきてる場合もあります・・・。取ってきてない場合は、GOIでスローインダクションを行ないます。
試験官:ジアセパムならどのくらい使うの。
私:○○mg、ミダゾラムなら○○mg使います。
試験官:ふうん。で、手術が終わりました。どうやって覚醒させますか。抜管はどうしますか。
私:抜管の刺激で喘息を誘発しないよう、自発呼吸が弱いうちに抜管します。
試験官:ふうん・・・扁摘でしょ。ホントにそうするの?
私:あ〜・・・扁摘後なので、術後口腔内出血に注意します。
試験官:じゃあ、どうするの。
私:口腔内を吸引しながら・・・
試験官:喘息を誘発しないようにするんじゃないの?どうするの?
私:・・・・
試験官:時間がないので、次ね。術中、バッグが突然かたくなりました。何を考え、どう処置しますか。
私:気管内チューブのずれ、気管支喘息発作、気胸、を考えます。聴診して、開口器が入っているならはずしてもらい、チューブがずれて片肺換気になっているなら位置を修正します。抜けているなら再挿管します。喘息なら吸入麻酔薬濃度を上げて、ネオフィリン、ステロイドの点滴静注をします。気胸なら針を刺したり胸腔ドレーンを入れたりします。
試験官:喘息発作だと言うことは、どうしてわかるんでしょうか。
私:聴診上、呼気性の喘鳴が聴こえます。採血したらIgEが上がってると思います。
試験官:わかりました。お疲れさまでした。
実技は麻酔器始業点検、経鼻挿管、S-Gカテーテル、ACLSであった。
始業点検は、「麻酔器には患者を低酸素にしないための機能がいくつかあります。それを調べて下さい。」といわれた。ボンベはなくパイピングしてあった。普通に始業点検を行なった。
経鼻挿管は、口で説明をしながら人形に行なった。試験官を助手にしてよいと言われた。ボスキシガーゼのボスミンとキシロカインの具体的な量をきかれた。
S-Gカテーテルは、まず紙に心臓の絵が書いてあり、それにカテーテルが入っていく経路を書かされて、圧波形を書かされた。心拍出量の計測の仕方と原理を聞かれた後、内頚静脈穿刺を人形相手にやった。
ACLSはモニターはVfだった。200Jで除細動を1回行なった後モニター上SRに戻ったが、そこで頸部の触診をするのを忘れ、無脈性電気活動を言わせたかったのだろうが、言えなかった。気管内挿管をして、血圧を測って、ライン確保しエピネフリンを投与するところまで言った。
で、結果、私は試験に落ちました。また来年頑張ります。