スミルノフ教授公式ウェッブサイト実況!麻酔専門医試験口頭試問>「まさゆき」さん

最終更新:2003年10月31日

「まさゆき」さん

神戸ポートピアホテルが会場だった。小学2年生の時にポートピア80というのにきたことを思い出した。超混んでいてひとつのパビリオン見るのに2時間くらい待ったような気がする。待っている間暇だったのでポートピアホテルの縞々が何本あるか友人と数えたこととかも思い出した。当時は23年後にそのホテルに試験を受けに行くことになることなど想像もしていなかったが。

指定された時間に遅れないようにホテルに到着し、会場の地図を見ながら2階の集合場所に向かったところ、偉い先生方の控え(本部)に迷い込んでしまった。地図を見直して指定された部屋にたどり着いた。講義室くらいの大きさの部屋に長机が二列並べられており左側の机に2名、右の机に1名づつ合計3列に分かれて着席した。各列8名づつくらいだったと思う。

全員そろうと試験についての説明が始まった。実際の口頭試問は上の方の階の客室で行われるという。縱の列で3グル−プに分かれ、左のグループから順に移動し、時間をずらして試験が行われる。1名につき隣り合う2部屋が割り当てられる。所要時間は1部屋あたり30分で合計1時間。1室目では症例を提示され質問に答えるとういう型式の問題が2例、2室目では麻酔期点検などの実技試験が行われる。集合時刻の30分後くらいから1グループ目が実際に試験が行われるフロアに移動する。さらに30分後、1グループ目の1部屋目が終わるころに次のグループが上階に移動する。僕は一番右の列の3グループ目だったので集合時間の1時間半後にやっと上の階にあがることができた。受験番号の下2桁を3で割ってあまり1なら1番目(待ち時間30分)、あまり2なら2番目(待ち時間1時間)、3で割り切れたら最後のグループ(待ち時間1時間30分)だと思う。待っている間は早く終わってほしいような、でももうちょっと本を読む時間がほしいような変な気分だった。

試験監督のかたに先導されながら8名の受験者が緊張した面持ちで貸切フロアへ列になって移動する。「これって結構異様な光景かも」と思うと緊張しているのにニヤニヤしそうになった。しかし場の状況にそぐわないのでそうならないように努めた。

「まさゆき」さん:症例問題

部屋の前でA4用紙に記載された2症例が提示され、数分間考える時間が与えられる。

症例1

60歳男性。身長165cm,体重60kg。昼食をとった後、高速道路走行中事故に遭遇。救急車で搬送されてきた。意識清明。血圧90/50mmHg、脈拍110/min。胸部X線上左肺野の透過性低下と肋骨骨折を認める。腹部X線にてfree airあり。

症例2

75歳女性。身長150cm、70kg。以前に股関節置換(または骨頭置換だったかも)を受けたが、最近関節が弛緩してきたため今回再置換を行うことになった。前回術後3日目、体位変換時に胸痛と酸素飽和度低下のエピソードあり。血圧160/90mmHg、心拍75/min。

時間になると付き添いのかたが部屋のドアを開けてくださる。

:失礼します。

受験番号と氏名をのべる。

試験官A:どうぞかけてください。受験票出してくださいね。

普通の客室だがベッドなど試験に必要無いものは取り払われている。長机に試験官が2名座り、その中線上に受験者が座る。もう少し机から離れた位置に座るのかと思っていたがかなり机に近い位置に受験者用の椅子があった。

交通外傷・術前管理

試験官A:では症例1ですが、この方の術前の問題点としてはどういったことが挙げられますか?

:昼食摂取後ということでfull stomachであるということと、気胸(?透過性低下なのに)があること、他の外傷がある可能性、大量出血の可能性、といったことが挙げられます。

試験官B:気胸?肺野の透過性が低下していて気胸を疑いますか?

:いえ、間違えました血胸や血気胸を疑います。

試験官B:そうですね。

試験官A:先生はこの方に硬膜外しますか?

:体位をとるのが難しいかもしれませんので行いません。痛みがあると思いますし、胸腔ドレナージも入ってから来ると思いますので。

試験官A:そうですね。

試験官B:こういった患者さんが来たときにまずどういった診察を行いますか?

:まず、意識の状態を確認します。

試験官B:それから。

:呼吸、循環をみます。

試験官B:それから

:外傷がないか確認します。

試験官B:そうですね。特にどんなところを見ますか。

:特に、ですか・・

試験官B:脊髄損傷がないかとか大切ですね。

:はい。

試験官A:では、術前の検査としてはどういったものが必要ですか?通常の検査に加えてです。

:CTは必要だと思います。

試験官A:どの範囲とりますか?

:頭から骨盤までとります。

試験官A:普段そうしていますか?

:はい。

試験官A:他には?

:頭部の単純写真や腹部エコーも必要だと思います。

試験官A:そうですね

交通外傷・麻酔導入

試験官A:では実際にこの方の麻酔をするとしてどうやって導入しますか?

:モニターをつけて、酸素化を行います。導入の薬は・・

試験官A:いきなり導入しますか?

:えっ、あー。

試験官A:胃内容物はそのままですか?

:あっ、胃管を入れて引きます。

試験官A:そうですね。で、実際引けますか?

:引けたことはあまりないです。目詰まりしてしまって。

試験官A:そうですね。あまり引けないですよね。

:はい・・・(だったらいらないのでは?)。

試験官A:ではrapid sequenceでするとしてどんな薬を使いますか?

:ケタミンを使うと思います。

試験官A:何ccくらい?

:8ccくらいです。

試験官A:筋弛緩はどうしますか?

:ベクロニウム0.5mgでプライミングをおこなって、2分後にサクシン80mgを投与します。

試験官B:80?

:はい。すこし多いでしょうか?

試験官B:まあ、いいと思います。で、展開の時に気を付けることはありますか?

:誤嚥を防ぐために輪状軟骨の圧迫をすることと、頸椎損傷が否定できないときはmanual in lineでするか、後屈してもあまり関節を曲げないようにします。

試験官B:そうですね。

試験官A:では、他の麻酔導入法としては?

:意識下ですか?

試験官A:はい。具体的にどうするか教えてください。

:酸素化までは同様に行います。それからフェンタネストを1ccずつ効果を見ながら投与します。血圧低下に気を付けます。 それから、口腔内に局麻を行います。酸素投与と展開して局麻のスプレーとを交互に行い、徐々に展開を強くしていきます。反射なしでアリテノイドが確認できるくらいに展開できたら輪状甲状間膜から気管内を局麻して、それから挿管します。

試験官A:いつもそうやってるんですか?

:はい(変なやり方なのかな?)。

試験官A:ほー。

麻酔導入後の低酸素血症と血圧低下

試験官A:では、麻酔導入後にSpO2の低下と血圧の低下を認めました。どのような対処をしますか?

:まず、麻酔器から患者さんまでの機器が確実に接続されているか確認します。

試験官A:はい、それは異常ありませんでした。それから。

:緊張性気胸や心タンポナーデが起きていないか確認します。あと、出血量についても。

試験官A:他には?

:他にですか?

試験官A:蛇管の接続の確認の次は気胸にいっちゃいますか?

:食道挿管や片肺挿管も除外しないといけません。

試験官A:そうですね。どうやって確認しますか?

:聴診したり気管内チューブの深さを見たりして判断します。

試験官A:他には?

:他にですか?

試験官A:もっと確実に診断する方法がありますよね。

:・・・・。確実に診断しようとすると胸部の写真を撮らないといけないと思います。

試験官A:そうですね。それと気管支ファイバーですね。

:あっ、はい・・・(なんでファイバーが出でこなかったんだろう)。

緊張性気胸

試験官B:緊張性気胸ではどうして血圧が下がりますか?

:静脈還流が減少し、前負荷が減るために拍出が低下します。

試験官B:CVPはどうなりますか?

:上昇します。

試験官A:緊張性気胸の時はどのような処置を行いますか?

:胸腔ドレナージを行います。

試験官A:どのあたりを穿刺しますか?

:前腋窩線上第4または5肋骨の上縁より穿刺します(スミルノフ教授の過去問にあったから調べてたもんね)。

試験官A:そうですね。他の穿刺部位としては他にどんなところを?

:鎖骨中線上第3肋骨の上縁です。

試験官A:はい、2,3あたりですね。

術後鎮静

試験官A:はい、ではこの方が術後挿管のままICUにいったとします。鎮静は行いますか?

:はい。行います。

試験官A:どんな薬を使いますか?

:プロポフォールを使うと思います。

試験官A:投与量はどのくらいで行きますか?

:時間12から15ccくらいで開始し、鎮静具合を見ながら増減します。

試験官A:他に使う薬はありますか?

:増量してもファイティングが続くようなときはフェンタネストを持続で使用します(保険通らないと思うけど)。

試験官A:量はどのくらいで?

:時間1-2ccくらいから開始して効果を見ながら増減します。

試験官A:うん。

股関節再手術の術前管理

試験官B:はい。では症例2にうつります。この方の術前の問題点を挙げてください。

:はい。まず、高齢と肥満が挙げられます。

試験官B:はい。それと。

:前回オペ後のエピソードから下肢静脈血栓症や周術期の肺梗塞に注意しなくてはなりません。

試験官B:そうですね。それと。

:再手術ですので通常の手術よりも出血量が増えるかもしれません。

試験官B:はい。それと。

:と高血圧です。

試験官B:そうですね。ではこの患者さんの術前診察の時にどんなところに注意して診ますか?

:術前検査ですか?

試験官B:検査ではなくて身体所見です。

:・・・。下肢血栓症が疑われますので下肢の状態を見ます。

試験官B:具体的には?

:浮腫がないか、ですとか左右差がないかとか・・

試験官B:それから。

:静脈瘤がないかどうかとか・・・。

試験官B:そうですね。他には?

:他にですか?・・・(下肢血栓症がある人の足を想像してみる)。

試験官B:血流が?

:血流が悪くないか見る。ですか?

試験官B:皮膚の色調が悪くないかとかも確認しないといけませんね。

:はい。

麻酔方法の選択

試験官B:では先生だったらどんな麻酔法を選びますか?

:硬膜外で行うと思います。

試験官B:硬膜外ですか。

:はい。それと鎮静を・・。

試験官B:鎮静しますか?

:えっ、いやーっ、やっぱりリスクの高い方なので鎮静よりアウェイクのほうが安全かと思います(エピと挿管全麻がもっと安全かな)。

試験官B:じゃあ硬膜外の利点はどういったところですか。

:術後鎮痛もできる点だと思います。痛みで凝固系が刺激されると思いますので。

試験官B:では欠点はどうですか?

:欠点としては抗凝固療法時に血腫形成の可能性があることだと思います。

試験官B:他には?

:他にですか?

試験官B:手術が長引いたり出血が多かったりすると硬膜外のみではつらいかもしれませんね。では全身麻酔で行ったとします。その場合の利点と欠点を挙げてください。

:欠点としては術後痛が硬膜外の時よりも強くなることだと思います。

試験官B:そうですね。硬膜外でするときの逆ですね。では利点はどうですか?

:利点ですか・・。

試験官B:この方はre opeで、しかも肺梗塞の可能性がありますよね。

:はい

試験官B:そういう症例では手術時間が長くなったり、出血が増えたりとかして・・

:そういった状況に対応がしやすいということでしょうか。

試験官B:そうですね。

術中合併症への対応

試験官B:出血に対する準備としてはどういったものがありますか?

:はい。術前からの自己血貯血、術中の回収式輸血と。

試験官B:そう、セルセーバーね。それから。

:と、濃厚赤血球です。

試験官B:はい。では、肥満があるとどういった点に注意が必要ですか。

:酸素化が悪化しやすいと思います。

試験官B:どうしてですか?

:横隔膜が挙上すること、背側の肺胞が虚脱しやすくなることが原因だと思います。

試験官B:どういった対処を行いますか?

:FiO2を上げたり、PEEPを負荷したりします。

試験官B:そうですね。それでもよくならないときは?

:他には・・、なるべく肺胞が広がるよう吸気時に気道内圧がプラトーになるようにしたりします。

試験官B:はい。では、血栓症を起こしやすくなる薬剤としてはどのようなものがありますか?

:女性ホルモンの製剤です。

試験官B:そうですね。では血栓症を起こしやすい先天性の疾患としてはどのようなものがありますか?

:・・・・(先天性?APSは先天性だったかな?)。

試験官B:凝固系に異常をきたす疾患としては?

:SLEでしょうか?

試験官B:によく合併する抗リン脂質・・

:(すかさず)抗リン脂質抗体症候群(やっぱりAPSかー)。

試験官B:それとか、欧米で多いものとしてはー。

:抗カルジオリピン抗体症候群でしょうか?

試験官B:それはさっきのと同じですね。プロテイン・・

:シー欠損症(合唱となる)。

試験官B:や、プロテイン・・

:エス欠損症(再び合唱)。

試験官B:などですね。

:はい・・・。

試験官B:ではこの患者さんの術中、セメント使用後に急に血圧が下がったとします。何を疑いますか?

:セメントの使用が誘引となって血圧が下がった可能性があります。

試験官B:その機序は?

:血管の拡張だと思います(詳しい機序は知らないよー)が・・。

試験官B:そうですね。他には?

:(話題が他にうつってくれてよかった)骨髄の脂肪が肺動脈に詰まった可能性があります。

試験官B:そうですね。他には

:あと、下肢血栓による肺梗塞も疑います。

試験官B:はい。他には?

:(え、まだあるの)それとー・・・。出血でしょうか。

試験官B:そうですね。では、どのような対処を行いますか?

:酸素100パーセントにして、吸入麻酔薬はきります。

試験官B:それと。

:昇圧剤を用います。あと、ボリュームの評価をします。

試験官B:昇圧剤は具体的には?

:まず、エフェドリンやフェニレフリンを使います。

試験官B:それで効かないときは?

:エピネフリンを使います。

試験官B:はい、それも効かないときはどうしますか?

:それでも効かないときはー・・、体外循環でしょうか。

試験官B:そうですね。PCPSなどですね。はい、ではこの部屋は終わりです。おつかれ様でした。

:ありがとうございました。失礼します。

「まさゆき」さん:実技試験

引き続き隣の部屋で実技試験がはじまる。

:よろしくお願いします。

こちらも通常ホテルの部屋にあるものは運び出され、代わりに麻酔器(メーカーはIMIだった)や挿管用人形、蘇生用人形が置いてある。

試験官C:はい。汗かくかもしれないから上着はぬいでいていいですよ。

:はい(ハンガーにかける)。

始業点検

試験官C:では最初は麻酔器の点検です。全部やってると時間がなくなるので、低酸素を防ぐ機能についてのチェックにしぼって点検してみてください。

:はい。まず酸素ボンベの圧を・・(麻酔器の裏側を見ようとする)。

試験官CとD:(さえぎりながら)ボンベはいいよ。それはあるものとして。うん。それ以外で。もうつながっているものとして。ね。

:はい。流量計のつまみを回して、酸素が流れるのを確認します。そして、酸素の配管をはずしたときにアラームがなるのを確認します。

試験官C:うん。

:それと、酸素と笑気を流して、酸素をきろうとしたときに笑気の流量も連動して減少することを確認します。

試験官C:それはどうしてですか?

:酸素濃度の低いガスが患者さんへ流れないようにする機構を確認するためです。

試験官C:はい。他にはありますか?

:笑気だけを流そうとしても酸素も同時に流れるのを確認します。(といいながら笑気のつまみを回すが笑気も酸素も流れない。練習に使ったオメダは両方流れたのに。)

:ではなくて、笑気だけ流そうとしても流れないことを確認します。

試験官C:そうですね。他にはありますか?

:他にですか・・。あと酸素濃度計があればチェックします。

試験官C:そうそう。では、リークの確認はどうしますか。

:ポップオフバルブを閉めて蛇管の出口をふさぎます。酸素を5リットル流して・・

試験官C:5リットルとかいわずにもっと流そう(10リットルくらいになる)。

:内圧が30センチエイチツーオーにあがるのを確認します。さらに40から50に上げて漏れがないのを確認します。そしてまた30センチにあわせて、酸素をきって30秒間に圧の低下が5センチ以内であることを確認します。

試験官C:うん。そうね。

経鼻挿管とラリンジアルマスク

試験官C:じゃあ次は経鼻挿管とラリンジアルマスク挿入をしてもらいます。

試験官D:では、経鼻挿管に必要な道具を挙げてください。

:はい。気管内チューブと、カフ用のシリンジとバイトブロックと、あっ、いえバイトブロックは違います。いりません(おいおいおっさんバイトブロック鼻に入れるんかい?)。

試験官D:経鼻挿管にバイトブロックは通常使用しませんね。

:はい。すみません。・・と、喉頭鏡とマギール鉗子です。

試験官D:では、それらの器具を点検してください。 (一通りチェックする。カフ漏れチェックの時にパイロットバルーンをもんでそれに連動してカフが膨らむのを確認していると・・)

試験官C:先生はいつもそこをもみもみして確認するんだ。

:あ、はい(思わぬ質問に驚く)。

試験官C:ふーん。

試験官D:では、この方(人形のこと)が身長160センチ50キロの健康な女性と思って麻酔導入してみてください。

:はい。まずモニターを・・

試験官D:はもうついているものとして。

:酸素化を行います。

試験官D:どのくらい行いますか?

:1−2分かまたは深呼吸を数回行ってもらいます。

試験官D:はい。どうぞ続けてください。

:次に静脈麻酔薬を投与します。

試験官D:何をどのくらい行きますか?

:プロポフォール50ミリグラムを2回入れます。 試験官:はい。と。

:マスク換気が確認できたらマスキュラックスを5ミリグラム投与します。

試験官D:はい。

試験官C:マスク換気が難しいときはどうしますか?

:下顎挙上をしっかり行ったりオーラルエアウェイを挿入したりします。

試験官C:それでも難しいときは?

:二人でマスク換気を試みます。

試験官C:一人はマスクホールドに専念するということね。

:はい。

試験官D:では実際に挿管してください。 (人形に経鼻挿管を行う。展開はそんなに硬くなかった。)

試験官D:はい、では換気ができるか確認してください。 (換気できた。)

試験官C:では経口挿管の時に喉頭鏡でできない場合はどうしますか?

:気管支ファイバーを用いた挿管を考えます。

試験官C:他には?

:トラキライト、インチュベーティングラリマなどを使います。

試験官C:他には

:マッコイ喉頭鏡やマッキントッシュで臼歯アプローチを試みます。

試験官C:それでもだめなときは?もういよいよだめなときは?

:気切でしょうか。

試験官C:そうだね。

試験官Dでは次はラリンジアルマスクです。

試験官C:成人男性にはどのサイズのラリンジアルマスクを使いますか?

:5です。

試験官C:はい。ここにあるのは4だけど、まず、挿入前の用意をしてみてください。 (カフ漏れチェックを行い、ラリマを虚脱させる。Drブレイン推奨のへこませ方。ゼリーを背面につけるまねをする。)

試験官C:では実際に入れてみてください。僕を研修医と思って指導するつもりで説明しながら入れてください。

:はい。(Drブレイン推奨の挿入法を説明する。)持ち方は人差し指をここに当てて鉛筆のように持ちます。挿入する位置は・・

試験官D:いきなり入れますか?

:歯のぐらつきなど確認します。

試験官D:他には?

:口腔内の様子を観察します。ああ、(そういえば)high palateでないかとか。

試験官D:そうですね。硬口蓋の形状の確認は大切ですね。

:歯の裏から硬口蓋に押し当てるようにして進めて行きます。ラリマ先端の肌色の部分が口腔内に収まるまでは左手でクロスフィンガーで開口させています。口唇を巻き込まないように注意します。その後左手で頭部の挙上や後屈をおこない、ラリマが硬口蓋から咽頭後壁へかけてスムーズにすべるようにします。最後は左手で下顎を持ち上げてなるべく喉頭蓋がダウンフォールドしないようにします。

試験官D:カフはどのくらい入れますか?

:パイロットバルーンの圧を感じながら10から20ccくらい入れます。(実際に入れる。)

試験官C:換気してみてください。

:(呼気が全然帰ってこない)。かんきできません。

試験官D:この人形挿管用だからラリマで換気は難しいかもしれません。

:はい。

試験官C:漏れがないかはどうやって確認しますか?

:ガスが漏れる音を直接聞いたり、聴診器を頸部に当てたりして確認します。あとタイダルボリュームやカプノグラムからも判断します。

試験官C:はい。ラリンジアルマスクではどのくらいの気道内圧が保てたら良しとしますか?

:15から20センチで漏れがなければいいと思います。

試験官C:そうですね。では・・

心肺蘇生

(次に心肺蘇生人形にうつるかと思いきや、麻酔器の上に紙と鉛筆がある。紙には縦軸や横軸らしきものが印刷されている。)

試験官C:この用紙に正常のカプノグラムの波型と喘息発作時の波型を記入してください。

:(こんなの聞いてないよー。でも難しい問題じゃなくてよかった。それらしい形を記入する。)

試験官C:はい。では次は蘇生です。院内のCPAを想定してBSLを行ってください。

:まず意識の確認をします。

試験官C:はい。意識がありませんでした。どうしますか。

:応援を呼びます。救急カートと除細動器を持ってきてもらうよう伝えます。

試験官C:はい、次は?

:呼吸の確認をします。

試験官C:どうやって確認しますか?

:呼吸音を聞きながら胸郭が動いているか見て確認します。

試験官C:何か飛ばしてないですか?

:あっ。とばしていました。頭部後屈や下顎挙上を忘れていました。

試験官C:それもしてくださいね。

:はい。

試験官C:次にどうしますか?

:呼吸がないのを確認したら人工呼吸を行います。

試験官C:何回行いますか?

:2回です。

試験官C:では吹き込んでください。

:(2回吹き込む)

試験官C:胸郭の動きを見ながらしてくださいね。

:はい

試験官C:次は

:循環の確認です。頸動脈の拍動が触れるか確認します。

試験官C:触れませんでした。どうしますか?

:心臓マッサージを行います。

試験官C:どのくらいのペースですか?

:一分間に100回です。

試験官C:では押してみてください。

:(位置を確認して押す。)

試験官C:少し遅いかなー。

:(もう少し速いペースで押す。)

試験官C:はい。除細動器がきました。どうしますか。 (電極をつけると波形がモニタに出る。)

試験官C:この波型はなんと言う不整脈ですか?

:Vfです(国試レベル)。

試験官C:そうですね。では除細動をしましょう。何ジュールで徐細動しますか?

:200ジュールです。

試験官D:200に合わせます(実際には3か4ジュール)。どうぞ。

:(パドルでチャージして放電する。まだVf)

試験官C:周囲の人に注意を促してくださいね。まだ続いていますね。次は何ジュールで行きますか。

:300ジュールです。

試験官C:はい、どうぞ。 (2回目の徐細動不成功。)

試験官C:次は何ジュールですか?

:360ジュールです。 (3回目にして除細動成功。Sinus rhythmとなる。)

試験官C:成功ですね。はいこれで終わりです。

:ありがとうございました。失礼します。 (やつとおわつた。脳の伝達物質が枯渇した気分)

感想とまとめ

ニューズレターに書いてあったことがちゃんと出ていました。麻酔器点検や心肺蘇生などです。でも一部間違えてしまった。ストレスがかかると一旦は正確に記憶されたはずの情報が誤った形で出力されることがある。なぜだろう。 もちろんこのサイトの過去問も役立ちました。

普通に臨床をしていれば症例も実技もまず問題ないと思います。 なにもやってないと試験が近づくにつれて不安になってくるので、不安を感じないようにするには早めの準備が有効かと思います。 「十分な口頭試問準備のもたらす抗不安作用は試験前における麻酔と勉強いずれの作業効率の低下も予防する」と題して話ができそうです。

実技の準備としてはミラー第5版の巻末についているCD-ROMを利用するのがよいのではとおもいました。 麻酔器チェックやDLT挿管、S-Gカテ挿入などクイックタイムで見ることができます。 消毒の仕方が結構雑だったりして、「ああアメリカ人っぽい」と感じながらみるとあきません。 そこで、出演の米国人麻酔科医のかたへ: イソジンでの消毒範囲が穴あきドレープの穴より小さいと不潔な部分が残ると思います。

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