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最終更新:2003年10月31日

「くるたん」さん

9時50分にポートピアホテル本館2階の「すみれ」に集合であった。アルバイトらしきお兄さんがひととおりの注意事項を読み上げたあと、試験委員長のO教授が登場し、簡単な挨拶らしきお話をされる。

が、実際に試験が始まるのはかなり先。一部屋の27人は大きく3グループに分けられ、最初の9人は10時20分から、次の9人は10時50分から、最後の9人は11時20分から、と時間差がつけられる。もちろん待ち時間の間は教科書読んだりトイレいったりは可能だが、待ってるのって結構たいへん。運が悪いと1時間以上も待たされるシステム。

試験時間は、症例問題が30分、実技が30分の計60分らしい。時間がくると、お兄さんお姉さん(←べつに期待するほどではなかったが……)についてぞろぞろと業務用のエレベーターに乗り込み、8階へ。なんと、試験は普通のホテルの客室で行われるようだ。

「くるたん」さん:症例問題

狭い8階の廊下の両側には各部屋の前にいすが二個ずつ並べられ、片方にはアルバイトの女の子(しかし、どう見ても高校生ぐらいの女の子もいたが)が座っており、われわれは各自の部屋の前でその隣のいすに座らされる。

「よろしくおねがいしまーす。」

ぎこちなく挨拶をかわす二人。いすといすの間隔はかなり狭い。肩と肩さえ触れてしまいそうだ。何か話しかけたほうがいいのだろうか。気の利かない男とは思われないだろうか。いつしか手はじっとりと汗ばむ。いたずらに時だけが過ぎていく……。

2〜3分たった頃だろうか、その娘がおずおずと、なにやら手紙らしきものを差し出した。

「五分間お読みください。」

そこには無機質なゴチック文字で次のように書かれていた。

<症例1>

65歳男性。170cm 70kg。送別会の席上、頭痛を訴え意識消失。既往歴に高血圧と30本/日×45年の喫煙歴がある。来院時JCS U-20。血圧200/100mmHg。脈拍120/min。血管造影にて中大脳動脈に瘤を認め、クリッピングが予定された。心電図上、V5とV6でST上昇を認める。

<症例2>

18歳男性。180cm 54kg。右脛骨外骨腫に対し骨掻爬・洗浄術が予定されたが、全身麻酔で維持中に発熱と筋強直を認め、悪性高熱症と診断された。1ヶ月後に再手術が予定された。

ちょうど五分後、彼女はすっと立ち上がり、ポケットから取り出したカードキーでその部屋のドアをあけてくれた。部屋に入ると、奥には、40代くらいの男性が二人、こちらを向いて座っていた。

緊急クリッピングの術前評価

試験官A:(前置きほとんどなしに)ではひとつめの症例ですが、この患者の術前の状態で麻酔管理上問題となると思われる点を、重要と思われる順にあげてください。

:はい。まず、送別会の席上での発症ということで、患者はフルストマック と考える必要があると思います。 また、喫煙歴が長いことらも直前までタバコをすっていた可能性が高いと思われます(……っておいおい重要な順だよ、重要な順)。いや、重要な順っていったらやはり血圧でしょうか、血圧。まあSAHのせいで血圧高いのかも知れませんけど、ええ、でも意識レベルが二桁じゃあんまり本人からも普段の血圧なんてきけませんしー。あと心電図の異常も今回のイベントの前からあったものなのか、SAHによるニューロジェニックなものなのかはわかりませんし、まあ何らかの心疾患はあるものとして麻酔をするということになるかとは思いますが。

試験官A:では、そのフルストマックという点について、麻酔は何に気をつけるべきでしょうか。

:(まあこれくらいなら簡単だなー)導入時の胃内容物の逆流および誤嚥の防止だと思います。サクシンを使うのが逆流防止という点ではよいかと思いますが、ただ就眠薬とサクシンの迅速導入で挿管すると血行動態の変動が大きくなりますし、フェンタネストなり降圧薬なりを使いながらある程度はマスク換気もしながら挿管することになりますから、プライミングして少し多めにマスキュラックスをいれるかと思います。

試験官A:なるほど。

(一方、もう一人の試験官Bはなにやら採点表に書き込んでいる。「16/20」? 何かもっと答えたほうがいいのかい?)

試験官A:では、術前になにか他に気をつけるべきことはありますか?

:(えー、そりゃいっぱいあるけど)吸引の準備が必要ですね。

試験官A:術前の検査とか所見とかどうですか?

:挿管困難を疑わせる所見がないかは必ず確認するようにはしていますがー。

試験官A:うーん、じゃあCTでは何に気をつけてみますか?

:CTですか。(そんなのいつも見ないけどなあ。当然くも膜下腔には出血はあるんだろうけど…。)

試験官A:(しばらく沈黙)なにか頭部CTで所見が見られませんかねえ。

:(まあ何か答えておくか。)そうですねー、血腫とかあればミッドラインシフトしてたりはするんでしょうけどー。あと水頭症があれば、脳圧高いかなあってぐらいでしょうか。

試験官A:(ほっとしたようにうなづいて)はい、そうですね。(え、そんなんでいいの。)では、こういった患者さんの麻酔管理の注意点はなんでしょうか。

:はい、まずは観血的動脈圧ラインを確保して、十分に酸素化をした後に導入をすると思います。具体的にはプロポ……

試験官B (←はじめて口をはさむ。):導入はまたあとでききますので、ここでは麻酔管理の注意点を答えてください。

:はっ?(??。導入が最初のヤマでしょうがー。)麻酔管理って維持ってことですか?

試験官A:そうですね。まあ、麻酔管理、です。

:管理、ですか。(脳外科麻酔の一般的なこときいてんのかいな?) 脳圧あげないってことでしたら、吸入麻酔薬は避けて静脈麻酔薬を中心にってことになりますが、フェンタネストとかプロポフォールを組み合わせてすると思いますが。まあ実際には1%くらいのセボフルレンをかけることも多いですが。

試験官A:血圧の管理はどうしますか。

:脳圧に影響しない降圧薬としてはヘルベッサーかプロスタンディンでしょうが、けっこう大量に流さないと降圧効果が得にくい点でいまひとつ使いにくい印象があります。ピン固定などの急激な血圧上昇にはプロポフォールのボーラスのが便利かと思います。血圧低下時には脈拍をみながらフェニレフリンかエフェドリン、ドパミンの持続が必要になることもあります。

麻酔導入と合併症

試験官A:では実際にどのように導入するか、具体的に薬剤の名前と量もあげながら教えてください。

:はい。Aラインをとって十分酸素化して、チアミラールでしたら3〜4mg/kg くらいでいいかと思いますが就眠させて、あ、その前に、0.5〜1mgくらいのマスキュラックスでプライミングしておきますが、トータルで15mgくらいいれて、輪状軟骨圧迫下に低圧でマスク換気をします。フェンタネストも血圧見ながら、2アンプルくらいいれればいいでしょうか。あとは血圧がはねあがるようならプロポフォールのボーラスも併用します。

試験官A:はい。じゃあ、無事にクリップもかかって病棟に帰ったとしましょう。術後3日目に意識が低下したとして、何を考えますか?

:スパスムでしょうか。

試験官A:そうですね。脳血管攣縮の予防や治療って知ってますか?

:3Hでしたでしょうか。たしか、hemodilution,hypervolemia,hyperosmolarity だったと思いますが。

試験官A:では、こんどはうまくいかなかった場合ですが、術前に右鎖骨下を穿刺しました。ピン固定して首を傾けたあたりで、気道内圧上昇のアラームが鳴ったとして、鑑別と対処を述べてください。

:(えらいわかりやすい設定だなー。何か裏があるのかなー。)まずは、気胸ですね。聴診と打診で診断をつけることになると思いますが、いきなりドレーンをいれるわけにもいきませんから、第2または第3肋間の鎖骨中線に太目の留置針をいれるかと思います。それと、体位をとったときということで、何らかのチューブトラブルの可能性もあります。まあ、MCAだったら首はむしろ伸展するので片肺という可能性は低いかもしれませんが。あとは、喫煙歴がありましたので、喀痰が多くないかもチェックする必要があると思います。

試験官A:聴診と打診だけで針を刺しちゃっていいですか?

:たしかに打診じゃわかりにくいかもしれませんけど。わたくしも一度鎖骨下で気胸作ったことあるんですが、バッグを手で押すと吸気時にいつまでもギューって音はきこえてました。

試験官A:なにか手術室でできる検査ってないですかねえ。ほら、何かこう、気胸の診断がつけられるような…。

:レントゲン写真、ですか?(ここで試験官Aの腕時計のアラームがなる。どうやらきっかり15分で次の問題に移らなければいけないらしい。)

試験官A:そうですね。じゃあ、ひとつめはここまでです。

悪性高熱症の術前評価

試験官B :では、症例2ですが、術前にはどんなことが必要でしょうか。

:まずは、本人と家族に十分な説明がいると思います。

試験官B :ほー、どんな?

:ある特定の麻酔の薬で誘発される疾患であること、今度はその薬は使用しないで麻酔を行うので、おそらくは安全だが、再発の可能性もゼロではないこと、あとは家族性に発症することもあるのでその検索の必要性、などでしょうか。

試験官B :なにか他に術前にすることはないですか?

:えー、ダントロレンの予防的投与は、デメリットのほうが多いので私だったらしませんが。

試験官B :なにか術前に付け加える検査はないですか?

:(うーん、これはなにか別の答えを期待してるねー。)検査、ですか。

試験官B :生化学のデータとかじゃなくて、こう、診断を確定するような…。

:(えー、でももう悪性高熱って診断されてんじゃんかー。)筋生検ですか。

試験官B :そう!筋生検ですか!

:(えっ?違うの?)は、はあ…。

試験官B :じゃあ、具体的にどうしますか、筋生検?

:(具体的だとー?)えっ、い、いやー、実際にわたくししたことがないもので、そのー…。

試験官B :(笑いながら)まあ我々だってそんなに症例あるわけじゃないからね。教科書的な知識として答えてくれればいいんですよ。

:は、はあ…。(でもどこからどれくらいの筋肉とってくるんだよー。しらねえよ、そんなのー。)

試験官B :じゃあ、どんな特徴が筋肉にみられますか?

:(ああ、なんだ、具体的な標本採取のやり方とかきいてるわけじゃないのね。)はあ、特徴ですね。……。

試験官B :……。

:えーと…。(しかし、筋肉に特徴ってなんかあったか?)

試験官B :では、術前に他にすべきことはないですか?

:い、遺伝子診断もあるかとは…。

試験官B :遺伝子ねえ。じゃ、どこにどんな異常がみられますか?

:(もーいいじゃんよー。はやく麻酔にいこうよお。)リアノジンリセプターが、何か異常があったような気がしますが…。

試験官B :そうですね。○○が××で△△でしたね。(←なんていってたか忘れました。)じゃあ、術前にはどんな準備が必要でしょう。(といいながら採点表に「10/20」と書き込んでいる…。)

:ダントロレンの準備をします。

ダントロレン

試験官B :じゃあ、ダントロレンについて、知っていることを話してください。

:はい。日本では1mg/kg を初回投与の後、7mg/kg まで症状をみながら投与、ということになっています。1バイアルを蒸留水60mlに溶解します。

試験官B :ダントロレンは溶けやすいですか、それとも溶けにくいですか?

:かなり溶けにくいときいていますが。

試験官B :なにか工夫はありますか?

:大勢で溶かすことでしょうか。

試験官B :うーん、他にぃ、そうですねー、温度なんかどうですか。

:はあ、あたたかいほうが溶けそうですねー。

悪性高熱症への対処

試験官B :そうですね。では、術中に悪性高熱が発症したとして、どんな対処を考えますか? ダントロレン以外に答えてください。

:まずは全身の冷却をします。クーリングブランケットとか氷枕とかで冷やします。あとは十分な尿量を確保するということで、冷たい輸液、必要に応じラシックスやマンニトールを投与します。

試験官B :他には?

:えー、そうですねえ、不整脈がおきたりしたら適宜対処が必要でしょうけど…。

試験官B :ほう。(←なぜか目がきらりと光っていたが…。)不整脈にはどんな薬剤を選択しますか?

:(あー、なるほどね。カルシウムチャネル拮抗薬のこといわせたいんでしょ。)それはもちろんどんな不整脈かによっても違いますが、むかしはリドカインはいけないといわれていたようですが、最近のガイドラインでは投与可能です。(いかにも当然という口調で)ああ、そういえば、カルシウムブロッカーは高カリウム血症をきたすので禁忌だったですね。

悪性高熱症の麻酔

試験官B :では、実際にこの症例では先生ならどんな麻酔をしますか。

:下肢の手術ですし、硬膜外併用の脊髄くも膜下麻酔にします。

試験官B :では、もし、患者が全身麻酔を希望したらどうしますか。

:(だーからー、そういうわがままを言わせないために術前にしっかり説明するんだよ。)えー、それは硬膜外やってて術中の鎮静ということですか?

試験官B :ええ、まあ、全身麻酔、ってことで答えてください。

:(きっと使っちゃいけない薬の話を期待してるんでしょうねえ。)そうですねえ、硬膜外が効いていれば、プロポフォールで鎮静しますし、全身麻酔のみでするなら、揮発性吸入麻酔薬とサクシニルコリン以外の薬剤で、たとえば、プロポフォールとフェンタニルですると思いますが。

試験官B :では、術後の鎮痛はどうしますか。

:硬膜外が入っていれば、0.2%のロピバカインを時間4mlでいきます。

試験官B :ロピバカインのみ4mlで足りますかねー。

:ええ、実際には時間4mlでも下肢の脱力がくることもあるくらいですし、まあ、どうしても何か混ぜるなら、うちの施設ではレペタンを0.2mg/日くらいですけど。

試験官B :では、硬膜外がなければどうしますか?

:(うーん、けっこうからむねー。)まあ何でもいいと思いますけど、わたくしでしたら、モルヒネの皮下注にするかもしれません。一日あたり、20〜30mg くらいではじめますが。

試験官B :ほー、皮下注ですか。

:ええ、ひ・か・ちゅー、です(わるい?)。

試験官B :では、時間ですので終わります。

症例問題の感想

きっと、筋生検の所見ってのは、calciuminduced calcium release の話をすればよかったんだろうなと思いました。「所見」っていうから、てっきり細胞の顕微鏡的な所見のことかと勘違いしまして。直前に悪性高熱のところは読み返したんですが、やや残念だったなと。本番では、術後に悪性高熱が発症したらどうしますか、なんてことも訊かれた記憶があるのですが、詳細は忘れてしまいました。

という具合に、症例問題は進行しましたが、なかなか試験官が何を期待してるのかわからないままに終わってしまいました。知ってるからって、訊かれもしないことをペラペラとしゃべるといまいちかみあわなかったりして…。訊かれたことだけ答えておくほうが、むしろスムーズに進むのではないか、そんな感じがしました。

「くるたん」さん:実技試験

さて、実地試験はこんな感じでした……。

またしても、アルバイトらしき女の子がカードキーで隣室の鍵をあけてくれる。今度は、試験官は二人とも立ったままで出迎えてくれる。スーツの上着は二人とも脱いでおり、なるほど事前情報の通りだなと、感心する暇もなく、まずは麻酔器チェックのようだ。

始業点検

狭いシングルルームの入り口すぐのところにはI○Iのみたことのない麻酔器がおいてあり、傍らには挿管人形、奥には蘇生人形と除細動器とが見える。

試験官C:じゃ、まず始業点検からしましょうか。ボンベがついていませんけど、あるものとして、最初にどうします?

:はい。まずはボンベを開けて、両方とも5L/minで流します。(ボンベはついていないのだが、どこかからホースの配管はひかれていて、なんか発電機みたいな音が聞こえてくる。実際に浮子は動く。)

試験官C:そうですね。じゃ次は安全機構のチェックをしましょうか。

:安全機構、ですか?

試験官C:ええ、ほら、酸素供給が突然遮断されても……っていうあれですよ。

:はあはあ、えー、じゃまず酸素ボンベを閉じるか酸素の配管を外すかして、笑気も流れなくなることを確認します。

試験官C:そうですね。あとは、麻酔器に組み込んである安全装置としては?

:?

試験官C:酸素の流量が低下したときにどうなりましたっけ?

:ああ、こうやって酸素の流量を絞ると、笑気の浮子も下がる、ですね。

試験官C:そうです、そうです。じゃ、次は、リークテストでしたか。

試験官D:ですね。リークテストは先生いつもどうしてますか。

:こうやって酸素を10Lくらい流して、先端を手で閉じて、30cmH2Oにしてもれなければよいかと。

試験官C:そうですね、で、何秒くらい圧が保たれたらいいんでしょうか。

:10秒間だったかと。

試験官C:はい、あとAPL弁をあけて圧の低下するのを見ますね。

経鼻挿管

試験官C:じゃ、次は、経鼻挿管をしてもらいます。舌癌の手術で、とくに合併症のない患者さんに経鼻挿管するといううことでやってください。実際に導入してマスク換気のところからやってみましょうか。

ということで、酸素化して、就眠したことにして、マスク換気をするが、けっこう難しい。流量あげたり、あごを持ち替えたりしてもなかなか胸が十分には膨らまない。

試験官D:ああ、そうなんですよ、くびのあたりがなんか壊れてるのかもしれないですねー。でも、今うまく換気できてないのがわかっていることが重要ですから、それでいいですよ。

試験官C:じゃ挿管してみましょう。チューブは何を使いますか?

:まあ、術者の立つ位置にもよりますけど、今は経鼻用のレイを使うことが多いですが。(といいながら喉頭展開してマギル鉗子で進めるが、これはまあ簡単。そういえば、経鼻挿管で準備するものは?なんてのも訊かれました。消毒とか、キシロカイン・ボスミンの量とか濃度のことでしょう。)

試験官C:深さはどうしますか?

:大体、経口にプラス4cmくらいですから、26cmくらいでしょうか。

試験官C:いいでしょう。

分離肺換気

麻酔器の奥のテーブルにはブロンコキャス左用37Frと、よくある気管から気管支にかけての模式図、クランプ鉗子と付属の10Fr吸引カテーテルが置いてある。

試験官D:じゃ次は、分離肺換気をしてみましょう。先生がいつもやっているようにやってみてください。

:はい。(といいながら、まずスタイレットをいれてチューブの形を作る。)だいたいこんな角度にして、ゼリーをつけて、で、喉頭展開して、先端が声門を超えたあたりでスタイレットを抜いてもらいながら、左に90度廻します。(と、喉頭鏡を持ってやっている真似。C先生は横でスタイレットを抜く役を演じてくれている。)あとは、とりあえずブラインドでやや抵抗があるところまで進めていって、白カフを膨らませて両肺とも換気できることを確認します……。

などなど、あとは聴診で確認すること、とか、右からファイバーいれて、右の上葉支と中間気管支幹との二分岐が見えることとか、まあ普段していることをやって見せただけでした。ので、詳細は省略します。紙に気管と気管支が書いてあるだけで、実際にファイバー使ったり挿管人形で位置決めしたり、というわけではありませんでした。他に訊かれたことは、ブロンコキャス以外の分離肺換気の方法や、その使い勝手、というか感想についてとか、あとは、週に何例くらい分離肺換気の症例がありますか?など、ここでも世間話的なことが多かったように記憶しています。

心肺蘇生術

続いて、次は蘇生人形と除細動器が置いてある。

試験官C:では、最後は蘇生をしてもらいます。病院の中で人が倒れていました。さて、どうしますか。

:(うーん、ACLS系の話ってなんか嫌いなんだよなー。)まず、意識のチェックをします。

試験官C:どのように?

:えー、大きな声で呼びかけますが。

試験官C:そうですね。

:意識がなければ、気道の確保でしょうか。

試験官C:そうですね。名前のついている気道確保の方法は?

:jaw thrust、chin lift、それと下顎挙上でしょうか。

試験官C:どうぞ、続けてください。

ということで、以下、BLSを実演することになります。人形にマウストゥマウスしてみたり、心マしたりと、本当に汗かきます。知識面では、いわゆるガイドライン2000の内容について訊かれました。換気と心臓マッサージの回数は?とか、市民救助者は脈拍の確認の替わりに何を確認しますか?とか。その後は、除細動器の使い方(感度・誘導の調節、電極が外れていないかの確認)を含む、二次救命処置について一般的なこと(私の時は心停止だったら、という設定でした)が質問されました。

という具合にこの部屋のお二人は終始よい雰囲気の先生方でした。

感想とまとめ

症例問題、実地試験を通じての印象としては、それぞれ30分ずつという限られた時間では、むしろ質問する試験官のほうがたいへんなんじゃないかなー、ということでしょうか。どうやら質問しなければいけない内容が決まっているようで、むこうの訊きたいこととこっちのしゃべりたいこととがずれたりすると、お互いけっこうなストレスになるかもしれません。が、しかし、あらかじめ口頭試問でも質問の内容が決まっているということは、こういった場で過去の問題を研究しておくことがけっこう重要ということでもあるわけで、ということはやはりすべからく受験生はみなここに「レポート」を提出するべきではないでしょうか、なんて思うのですが……。ということで、わたくしもつたない報告だったかもしれませんが、多少なりとも参考になれば幸いです。

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