スミルノフ教授公式ウェッブサイト> 実況!麻酔指導医 試験口頭 試問>「まさや」さん
最終更新:2003年7月20日
私:よろしくお願いします.
試験官A:では,この問題から解答をお願いします.
設問:心肺蘇生時の時のあなたの考えをお聞かせください.
設問1:心肺蘇生時のメイロン使用の是非について,お考えを述べてください.
私:えー(高度の緊張状態のため声がうらがえる)
試験官A:落ち着いてください.
私:(これは昨晩,同期のAと話していたことだ.ラッキーと思いつつも緊張のあまりなかナカ声が出ず,やっと答える)細胞外液中のアシドーシスの改善をはかりますが,逆に細胞内アシドーシスを高めるのですか.
試験官A:そうですね.では,
設問2:心肺蘇生時のカルシウム製剤使用の是非についてお答え下さい.
私:(メイロンのことについてこれ以上つっこまれなくてよかったと思いつつ)あの,心肺蘇生中ですね?
試験官A:そうです.
私:血液中のカルシウム濃度の上昇にともない,血管細胞の収縮などが起こり,脳において血流再開時における no-flow 現象を助長させると思います.
試験官A:では,その機序について答えてください.
私:(困った.詳しく覚えていない.自信なげに)フリーラジカルだとかですか?
試験官A:それもありますね.では,脳の血管攣縮におけるその他の要因について答えてください.
私:(とことん困る)んーーーーー.
試験官A:生体内の反応であるじゃないですか.
私:んー,アラキドン酸カスケードにおける,トロンボキサンA2とかプロスタグランジンとかですか?
試験官A:そうです.では私はこれで.
試験官B:私はですね,60 才男性,胃癌の手術を予定されている患者で術前の Hb が 8.0 であった.あなたならどのように考えますか?
私:(問題の主旨がよくわからない.)貧血ですねー.えー,術前に Ht 30 くらいまで輸血するようにしようと思います.
試験官B:Ht 30 というと,Hb 10 くらいですか?
私:はい.
試験官B:うーむ.昔はそのように考えていた時期もありましたが,現在輸血することに関する合併症などうるさくなってきてますよね.患者さんに,輸血しても本当に大丈夫ですかと聞かれたらどうしますか?
私:大丈夫だとは言い切れません.(この問題の主旨はいったいなんなんだ.)
試験官B:では,どのような合併症がありますか?
私:HB,HC などの肝炎ウイルス感染,AIDS 感染とか,GVHD 等ですか?
試験官B:ほう,GVHD とはどんなものですか?
私:(今回のヤマを聞かれた)T細胞の作用により移植片が宿主に対して起こす異常反応だと思います.
試験官B:それは移植した場合でしょう.輸血の時は血液中の何が作用するのですか?
私:リンパ球ですか?
試験官B:そうですね.貧血のまま手術になった場合,あなたならどのような方法を考えますか?
私:(やっと問題の主旨がみえてきた)まず,自己血輸血をできるようにとっておくこと,また術中に出血した場合には,代用血漿の点滴静注,その他術前よりセルセイバー等用意しておくと良いと思います.
試験官B:そうですね.ではよろしいです.では書類を持って,次の人を呼んでください.
私:ありがとうございました.
最初の問題は,前の晩に同期のAと勉強したところだったのにも関わらず,完全に頭に血がのぼって,明解な解答ができなかった.次の問題は,意図するところが分からなく,分からないままに終ってしまったようです.
私:よろしくお願いします.
試験官A:お座りください.では問題をどうぞ.(問題を手渡してくれた.)
症例:脳外科の麻酔.脳動脈瘤,クリッピングの麻酔を低血圧麻酔で行っていた.ところが,脳外科医は,normo-tension にしてほしいと希望してきた.その如何について説明してください.試験官A:よろしいですか?(と,問題を引き取る.)
私:(はっきりと読むことができなかった.)んー,hypotension にする意義としては,術中の出血量を減らすことと,脳圧の上昇を抑えることだと思います.また,normo-tension は,脳における perfusion を保つことが主だと思います.
試験官A:hypotension の欠点はどう考えますか.
私:脳における,low perfusion による組織障害を助長する可能性があります.例えば,アシドーシスの進行,細胞内 hypoxia が起こり得るように思います.
試験官A:では,normo-tension を必要とするものには,どのようなものがありますか?
私:(最近脳外科の麻酔をとんとかけていないし,まずい.この質問は病名について答えればいいのか?術式か?それとも患者の状態を生理的に答えればいいのか?)んんー.
試験官A:術式でどんなものがありますか?
私:(頭真っ白)
試験官A:(頚のあたりを指差し)この辺で何かあったでしょう?
私:内頚動脈内膜剥離術とか,STA-MCA anast ですか?
試験官A:そうそう(大笑い),では,内頚動脈内膜剥離術の時,脳の血流が途絶される時期がありますが,先生はどのように対処しますか?(編集者註:本年度の筆記試験に内頚動脈内膜剥離術の麻酔について出題されている)
私:血流途絶時は,サイアミラールの持続静注により脳保護を行っています.
試験官A:それ以外では?
私:PaCO2 を正常にしておくことですか?
試験官A:いや,そうではなく,術者が手術中に何かやってませんか?
私:あー,バイパスを作るということもやってます.
試験官A:他には何かありませんか?
私:(やけにつっこんでくるなー.もう思い浮かばないので,笑ってごまかすことにする.)
試験官A:他には,ちょめちょめちょめちょめ..............(詳しく説明してくださったのですが,頭が真っ白だったので忘れてしまいました.すいません.)では,私はこれで.
試験官B:では,脳外科の手術で脳圧を上げないためにはどのようなことをしますか?
私:hyperventiration や輸液剤の量を抑えるようにしています.
試験官B:使用する輸液はどんなものですか?
私:細胞外液と同じ組成を持ったものを使っています.例えばラクテックなど.
試験官B:んー.輸液の中には水を引っ張るような物とかありませんか?
私:浸透圧利尿剤ですか?例えば,マニトールのような物ですか?
試験官B:はい,どうもご苦労さん.
私:(ええ?もういいの?あまりの早さに唖然とする)ど,どうもありがとうございました.
最近は脳外科の手術と御無沙汰しており,非常に辛いものがありました.試験官Aはかなりつっこんできて,とてもやりにくかった.試験官Bはかわいそうに思ってくださったのか,すぐ終ってくれてとてもラッキーでした.