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最終更新:2003年7月20日

「きりちゃん」さん

「きりちゃん」さん:第1会場

この部屋は結構突っ込みが厳しいらしい.最初からけんか腰だもんねという前の受験者談

火傷後患者とSCC

:よろしくお願いします.(すでに渋い顔をしている.なんか気まずい雰囲気だ.)

試験官A:まず,これ読んで.(はきすてるように言い,一枚の紙を机の上に置き,手渡してはくれない.なんかいじわるそうだ.前の受験者が刺激したんじゃないの?)

症例:15 才,女性.火傷後の瘢痕のため手術となった.SCC 30 mg で導入したが,顎が固く,SCC をもう一度 30 mg 追加したが,やはり顎が固いため,パンクロニウム 4 mg 静注にて筋弛緩を得て,気管内挿管ができた.麻酔は GOI で維持し,術中は問題無く経過し終了した.CPK 値 150,高体温となることもなかった.(一部忘れたが主旨はこんなかんじ)

試験官A:こういう経験はないですか?

:SCC を使って顎が固くなることですか?

試験官A:そうです.

:最近は SCC は全く使ったことがありません.

試験官A:昔はどうだったかね.(むっとしたように言う.これはまずい)

:昔も火傷後の患者には高カリウム血症の問題もあり,使わないようにしていました.(聞かれてもいないのにカリウムの話はまずかったかな.)

試験官A:今ならどのように導入するかね.

:筋弛緩薬はベクロニウムを用いると思います.(試験官Aの顔が少し和らぐ.・・・そうだこの先生はベクロニウムが専門だった.)

ベクロニウムによる導入

試験官A:パンクロニウムに比べてベクロニウムを選択するのは何故ですか?(なんとなく喋り方がやさしくなったようだ.)

:ベクロニウムは作用時間が短く調節性に富むことと,パンクロニウムは副交感神経遮断作用のため頻脈を起こすなど循環系に与える影響がベクロニウムより大だからです.

試験官A:早く筋弛緩を得るためにはどんな方法がありますか?

:プライミング・プリンシプルという方法があります.

試験官A:プライミング・プリンシプルは実際どのように行なっていますか?

:(しめしめ,さっきみんなと話していたところだ.)ベクロニウムではプライミング量として約 0.015 mg / kgを投与してから5分ほど待って,全量0.08 mg / kg から 0.1 mg の残りを投与し,その2分後に挿管しています.

試験官A:他に作用発現を早くするにはどんな方法がありますか?

:通常の使用量より大量に投与すれば,作用発現は早くなります.

試験官A:そうですね.

ダントリウムと悪性高熱症

試験官A:最後に,まあこのケースは悪性高熱は否定されたのですが,悪性高熱ではダントリウムを使用することがありますが,ダントリウムを使用する時の注意点は何ですか?

:副作用でしたら,肝機能障害,食欲不振など消化器症状,えーっと・・・・.

試験官A:ダントリウムも筋弛緩薬ですからね,大量投与では呼吸補助を必要とすることもあるんですよ.

:はあ,そうですか.(そうだった.脱力,ふらつきがあったんだ.でも悪性高熱ならたいてい挿管されてるよなあ・・・・.予防投与の話かなあ)

試験官A:私はこれくらいで.先生は何かありますか?

試験官B:(この先生は温和そうだ.)では私は悪性高熱に関連して2,3質問しましょう.CPK が上昇しますが,他に何が上昇しますか?

:ミオグロビンです.

試験官B:ミオグロビンが上昇すると何が問題ですか?

:(ふふふ,最近悪性症候群を経験したばかりだもんね.)ミオグロビンが腎尿細管を閉塞して,急性腎不全となることがあります.

試験官B:予防と治療法は?

:利尿剤,マニトールがベストだと思いますが,輸液をしながら,尿量を増やして洗い流すことです.

試験官B:ミオグロビンにはアイソザイムがありますが,心筋梗塞ではどのタイプがでますか?

:えーっと,MB タイプだったと思います.

試験官B:ミオグロビンと同じような尿の色を呈する場合,なにがありますか?

:ヘモグロビン尿でも似たような尿の色になります.

試験官B:そうですね.ミオグロビン尿とヘモグロビン尿を簡単に見分けるにはどうしますか?

:(うーん,なんか学生の頃に聞いたことはあるんだけど)えー,えーっと・・・・.

試験官B:ヘモグロビン尿は遠沈しても色調は変わらないんですね.どうもご苦労さんでした.

:どうもありがとうございました.(まあ,聞いていたよりはいじめられなかったなあ.)

「きりちゃん」さん:第2会場

この部屋も結構突っ込んでくるそうだ.前の受験者はスパイナルのことを聞かれたという.

心筋虚血の診断と治療

:よろしくお願いします.

試験官A:まずこの症例を読んでください.読んだらすぐ返して.

症例:CABG を予定された患者である.大量フェンタニルで導入,導入時は問題なかったが,まもなく,ECG,動脈圧,肺動脈圧が次のように変化していった.(上段 ECG,中段動脈圧波形,下段 PA 波形.最初の1列目は問題なし.2列目で ECG では PVC と ST 軽度上昇,3列目で ST が完全に上昇し,動脈圧が低下,PA 圧はさらに上昇し,両者はほとんど等圧になっている.スケールは付いていない簡単な図である.これしか書いていない.)あまり時間もなく紙を取り上げられる.(ひえー!)

試験官A:このケースをサマライズしてください.

:はあ(この時点では図があまりにシンプルなので面食らっており,ECG の3列目の ST 上昇しか頭に残っていない.冷や汗たらーり,サマリーといっても何から言えばいいのだろう.)えーと,えーと,心電図の ST が上昇してきたのでえ・・・(このあたりで頭が白くなり)すいません心電図をもう一度見せてください.

試験官A:(しょうもないという感じで,もう一度見せてくださる.マイナス1ポイント)心電図を見たらまずどこを見ます?

:えー,ST 変化を見ます.

試験官A:まず ST を見るんですか?

:(しまった,一般論だったのか.マイナス2ポイント)P 波,調律異常の有無,QRS 幅,ST,T と見ていきます.

試験官A:で,このケースは何が起こったと考えますか?

:心筋虚血が生じたと考えます.

試験官A:そうですね.実際,冠スパズムが生じたケースです.治療はどうしますか?

:冠血管拡張薬のニトログリセリンを使います.

試験官A:どのくらい使いますか?

:0.5 μg / kg / min で開始します.

試験官A:そうこうするうちに血圧も下がってきたんだが.

:カテコールアミンも併用します.それと,冠スパズムという点では,最近はカルシウム拮抗薬のジルチアゼムも有効だと思います.

試験官A:まあ,そうだね.冠血流量はどれくらいですか?

:心拍出量の 5% ほどで,250 ml / min ぐらいです.

試験官A:普通は 100 g 当たりの血流量で答えるものだよ.

:(そうだった)すいません.(どうも相手の期待するドンピシャの答えができず,かみ合わないまま時間が過ぎていく.マイナス3ポイント)

試験官A:冠血流の急激な減少をモニターするには他にどんな方法がありますか?

:(ピンとこないよー)まず変化が現れるのが心電図でえ,次いでー・・・・.

試験官A:壁運動が低下するんだね,だからエコーが有用なんでしょう.

:はい,そうでした.(もう TKO だ,タオルだタオル)

試験官A:私はこれで.先生は何かありますか?(もう帰りたいよー)

試験官B:いいえ,私の方は特にありません.

:どうもありがとうございました.(やれやれ,こりゃ心証を害したな.肩を落として部屋を出る.)

両会場の感想

第1会場の試験官Aは筋弛緩のことばかり質問していたようだ.後で冷静になって考えてみると,そんなに難しいことを聞いてくるわけではない.ただ,間違ったことをはっきり言ってしまうと,そこは突っ込まれる.自信がなければわかりませんと言った方がましだと思った.それと,簡単なことを聞かれると難しく考えすぎて,かえって混乱してしまう.

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