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2003/01/09 (木)
帰国中、先生のひ孫が熱を出しました。両親が病院に電話しましたが、お正月休み中なので電話に出なかったり、話中だったりします。そんな様子を見ていて業を煮やしたその子の兄が、先生に言いました。
「じいちゃん、お医者さんなんだから診てやれば」
ぐぐっ!そんなことは言うもんじゃありません。先生にどうしろと言うのですか。ここで処方箋でも書けっていうのですか?お医者さんは、病院にいない時はただの人なんです。
そこで先生は、ある日の体験を思い出しました。とある開業医から、緊急手術の麻酔を依頼されました。急いで行ったのですが、先生は我が目を疑いました。手術室に麻酔器が無いではありませんか!
「先生は麻酔のプロなんだから、麻酔器無くても麻酔できますよね?」
「・・・・。」
先生はこの時、一句浮かびました。
「麻酔科医 麻酔器無ければ ただの人」
しかし、皆さんもご存知のように、先生はそんじょそこらの麻酔科医ではありません。麻酔器が無くても、喉頭鏡と気管チューブ、アンビューバッグぐらいはどこの病院にもあります。先生はそれと、とりあえず使えそうな静脈麻酔薬類でこの難局を見事に切り抜けました。
先生は、麻酔器なんか無くても麻酔科医です。しかし、こんなことで満足する先生ではありません。
もし、喉頭鏡も無かったらどうしてただろう。いや、先生はきっと手探りで盲目的挿管を成功させたでしょう。そのぐらい、カーター君だってやってます。
もし、バッグも無かったら・・。そんなもん、口で人工呼吸します。
もし、チューブも無かったら・・。うーんと・・ちくしょう、マウス・トゥ・マウスやればいいだろー。やるよー。
もし、麻酔薬も無かったら・・。うっ、ど、どうしよう・・。催眠術か?指圧で眠りのツボでも押すか?それとも、腕力に任せてボディ・ブロー・・。
し、しまった。先生はまだまだ修行が足りません。どなたか、よい師匠を紹介してくれませんか。タクシーが無くても背負ってどこへでも連れて行ってくれるタクシー運転手とか、ハサミが無くてもカットができる美容師とか、カンナが無くても家一件ぐらい建てちゃう大工とか・・。