2004年ノーベル生理学・医学賞受賞者のリンダ・バック(Linda Buck)博士率いる研究チームは、寿命の研究でよく使用される短命の線虫に、8万8000種類の化学物質を投与し、どの物質が虫の寿命を延ばすか調査した。その結果、ミアンセリンと同じ成分を持つ物質で虫の寿命が30%延びたという。ミアンセリンは健康な精神状態を保つとされる神経伝達物質セロトニンの減少を食い止める働きがあり、抗うつ剤に使用される。抗うつ剤が脂肪を生成する神経伝達物質オクトパミンの吸収を防ぐことも確認され、低カロリーの食習慣で育てた実験動物は長生きするというこれまでの研究結果を裏付けるものとなった。
人類の憧れである不老不死薬探究の第一人者、リンダ・バック先生の研究成果です。わーい、これで抗うつ剤から離脱できないと悩む必要なんかなくなったね。一生飲み続けていいんだよ。先生は臨床的にも寿命延長薬として期待されている降圧薬ARBも飲んでるから、もう100歳以上生きることは決定だな。つーのは、原文↓を見ると早合点もいいところです。
Petrascheck M, Ye1 X, Buck LB: An antidepressant that extends lifespan in adult Caenorhabditis elegans. Nature 450, 553-556 (22 November 2007)
ちらみしただけなんで、誤読してるかもしれないけど、どーも話はそう単純ではなさそうだな。ミアンセリンの抗うつ作用は、他の抗うつ薬と同様、シナプス間隙のモノアミンを増やすことで発揮されてるのだろうけど、ミアンセリンはシナプス後セロトニン受容体を遮断する作用もあり、こっちの作用は臨床的にはうつ状態にどう絡んでいるのかよく分かってないが、どうやら線虫の寿命延長にはこのセロトニン受容体遮断作用が関係しているようだ。ミアンセリンによる線虫の寿命延長にはある種のセロトニン受容体と飢餓信号のトランスミッターとされるオクトパミンの受容体の存在が必要ということから、飢餓による寿命延長の機序との関連が示唆されているわけだ。
すぐに人間様にあてはめてはいけません。正しく題名をつけるならば、「抗うつ剤」というよりは「臨床では抗うつ薬として使用されている薬の一部」とつけるべきです。でも原題が単にan antidepressantだからなあ。














Comments
後期研修で行き先なくなったら、先生のところ雇って欲しいです。
http://ameblo.jp/kyupin/entry-10031144201.html
↑これが俺の考え方にジャストフィットしたので。
>いわゆる、SSRIっぽい無関心さ、空虚さ。
っていう絶妙な記述に思わず膝を打ちました。