研修医の皆さん、こんにちは。実はこのところ医学や医療に関わる話をする気が全く起こらないのですが、もうタイムリミットです。タイムリミットと申しますのは、もうぼちぼち初期研修医の皆さんはそれぞれの専門を決めちゃっただろうなということです。それでもまだ考えあぐねている人もいるかもしれない。そんなあなたに、先生は、もしよかったら麻酔科よろしくお願いします、とお願いしなければならない立場なのです。
そこで、あ、そこの医療に関係のないあなたにもぜひ聞いていただきたいのですが、麻酔科で研修すると何がいいのか、分かりやすく説明したいと思います。まず、次のどっかの皮膚科の先生のご意見をお読みください。
「標榜医(ひょうぼうい)」という難しい言葉が出てきましたが、標榜(ひょうぼう)とは、すなわち看板に自分の専門科を掲げるという意味です。で、実は日本国は「自由標榜制度」なんですね。つまり、医学部を卒業していれば何科を名乗ってもいいってことになってるんです。本当は外科ばっかりやってきたのに、外科・整形外科・内科って看板に書いちゃうとか、内科ばっかりやってきたのに、内科・小児科・皮膚科って書いちゃうなんてことがまかり通ってるのは確かです。
ところが最近は、医療機関の広告規制の緩和に伴って、それぞれの学会が認定する専門医資格を広告できるようになりました。
■医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について(厚生労働省)
だから先の皮膚科の先生(貝瀬先生)は、標榜医なんて当てにならん、専門医が大事である、というような論調のことを書いておられるんですね。
ですが、ちょっと待ってください!
何科を名乗ってもよい自由標榜制度と言いましたが、実は例外があります。そうです、「麻酔科」だけは自由に名乗っちゃいけないんです。「麻酔科標榜医(ひょうぼうい)」は厚生労働省の認める唯一の診療科標榜資格であり、この資格を持つ医師がいなければ「麻酔科」を標榜することはできないのです! どうですか、皆さん。すなわち、麻酔科標榜医(ひょうぼうい)は「国」が認める唯一の専門医なのです! わあ、なんてかっこいいんだ!
■麻酔科標榜医(ひょうぼうい)資格を取得するためには?
資格要件は2項あるのですが、現在は「専門医の指導のもと2年以上麻酔業務に専従した経験がある者」という第1項がもっぱら適応されます。たった2年です。たった2年で堂々と麻酔科と看板に書くことができ、麻酔管理料を算定することができるようになります。わあ、もういいことだらけ。
ところで、どうして麻酔科だけなの?という疑問が湧くことだろうと思います。それは、麻酔科は生命に直結する仕事でありそれだけ高い専門性が要求されるからだ、と説明しろ、と先生は言われています。いや、そうなんですよ。いや、そうでもないです。だって、どう考えても心臓外科医とかの方が専門度が高いじゃん。いくら自由標榜だからって、やったこともない人がいきなり心臓の手術なんかせんでしょ。じゃあどうして麻酔科だけ標榜医(ひょうぼうい)制度ができたかっていうと、それは歴史を紐解くとだねえ……。ああっ!すいません、ここでちょっと上層部から圧力がかかってきました。やっぱ、麻酔科は国が認めないといけないほど専門性が高いんですよ、きっと。
ちなみに、うちのローリーも立派な麻酔科標榜医(ひょうぼうい)ですよ。
先生 「おい、ローリー、お前、専門医申請の書類、ちゃんと書いておけよ」
ローリー 「分かってますって、ちゃんと出しますよ」
先生 「お前、本当に麻酔科標榜医(ひょうぼうい)なんだろうな。番号とか調べとけよ」
ローリー 「もちろんですって、分かってますよ。ええっと、あれ? 先生、ひょうぼうい、でしたっけ? それとも、ひょうぼい? 漢字でどうやって書くんですか?」
先生 「ばかもーん! バカだバカだと思ってたが、そこまでバカだったか。お前のようなバカは麻酔科標榜医(ひょうぼうい)の片隅にもおけないぞ!」
ローリー 「……。」
先生 「なんだそのふてくされた顔は。逆ギレかよ。」
ローリー 「ガォーッ! ガォーッ!」
先生 「痛い! 痛い! 何てことするんだローリー!」
ローリー 「俺はヒョウBOY!」

というわけで、僕たち、ヒョウボーイズです。メンバー募集してます。もちろん女性の方も大歓迎! ヒョウガールズの仲間に入りましょうよ。

Comments
ヒョウとジャガーって別物なんですね。
知らんかった。
今、Wikipediaで物知りになりましたー。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A7%E3%82%A6
Wikipediaにはヒョウガールズは載っていませんでした。
先生のお力で新しい項目を作っておいてください。
珍しいとのことで新聞にも記事が出ました。
麻酔科専門なんて初めて見たのでびっくりしました。
ペインクリニックって言うんですね。
うちは、4人女の子がはいりました。
去年、0だったので、上の先生は嬉しそうです。
もちろんヒョウガールズに歓迎します。
>yodaさん
少なくとも麻酔科標榜資格を持つ医師が麻酔を担当することが分かります。標榜資格がなくても麻酔をすること自体は違法でも何でもありませんので、無謀な全身麻酔を行っている施設も少なくないと思われます。
>アヤゾウさん
麻酔科医は手術室以外の仕事にも進出しています。そのひとつがペインクリニックで、外来あるいは入院した上で難治性疼痛疾患の治療にあたります。
>chiruruさん
先生もそう願いますが、今シーズンとしては時すでに遅しかもしれません。先生のような、ではなく、讃岐先生や松田先生のようなまじめで熱い麻酔科医になって欲しいです。
>まるるさん
ヒョウガールズ結成おめでとうございます。少しずつですが、麻酔科はどん底から這い上がりつつあるのでしょうか。
ま、入会金3万円で手を打ちましょう。
専門医持たずに困ったことなど一度も無い。
今さら専門医が必要なんだろうかっと思ってはいいるんだけど、とりあえず受けるので情報が欲しいです。
麻酔学会のは見たけどいまいちだと思いません?
やはりスミノルフ大教授のが一番です。
皆さんに呼びかけて、専門医口頭酒門の問題を集めてください。
皆さんそろそろ書類の準備などを始めているようですね。日本の標榜制度が有名無実化し、厚労省も学会認定の専門医を広告することを認めるようになりました。このエントリーでは先生は本当のことを書くのをあえて避けましたが、きっと麻酔科標榜医は近い将来、歴史の遺物でしかなくなるでしょう。先日、総合科が話題になったとき、新聞は厚労省が標榜を認めるのは今のところ声明に直結する麻酔科だけだ、と書いていましたが、もしそうならば、なんで2年やっただけで、試験も何もなくても標榜医になれるのでしょう???
詳しい話はタブーな部分もあるので、先生が大学をやめた頃に思い切ってすっぱ抜きますね。とりあえず専門医は取得しておいてください。