先生は高血圧患者に一様に減塩を求める風潮は明らかな間違いだと思っています。これからそのことについての不満を爆発させていこうと考えているのですが、それをただの「言い訳」と嘲笑されるのも先生の本意ではありません。
そこで先生は、まず理想的な患者となることで、堂々と不服を述べることができる資格を獲得しようと思いました。そして、これほど厳密に日常の塩分摂取量を計算し、これほどストイックに1日摂取量を制限することに成功している高血圧患者は他にいないだろうというぐらいの減塩生活に突入していたのです。ところが現在、先生にとってはストイックでも何でもなくなってしまいました。むしろ、楽しいゲームです。幸か不幸か、凝り性という本性が現われ、ゲーム感覚で減塩を楽しむようになってしまったのです。
日本人の平均1日摂取量は13g、これを国は欧米に近づくために10g以下にしようとしてますが、欧米かぶれの日本の循環器医たちは、高血圧患者に1日6g以下という、日本人には厳しすぎる制限を設定しています。おい、6gってお前ら分かるかよ。食塩たったの小さじ1杯でこれが5gもあるんだぞ。これは相当厳しいんだよ。あと、お菓子とか卵とか牛乳とかにも結構含まれてたりするんだよ。成分表見てみなさい。1日6gなんてあっという間だよ。
ところが1日6g以下を目標にやってるうちに、最近の先生は並みの減塩食でもしょっぱいと感じるほどになってしまったんだな。例えば今日の摂取量を見てくれたまえ。
| 朝食 | 0.60g |
| 昼食 | 1.20g |
| 間食 | 0.30g |
| 夕食 | 1.79g |
| 計 | 3.89g |
ついに4g切るようになっちまった。数日やったぐらいで偉そうにいうなって言われるのもしゃくなので、今まで黙々とやってきたつもりではあったのだが、ついに先生は食塩不足で死ぬんじゃないだろうか、というところまで達したのである。ここまで達成している先生に対して文句や忠告を言う資格は誰にもない。もちろん先生の上司とて例外ではありません。先生の弁当に入ってる調味料をゴミ箱に捨てる権限なんかないのです。
さあ、今の先生は超優秀な減塩達成患者ですから、先生には声を大にして疑問を叫ぶ資格があります。なぜ高血圧に減塩なのか、はっきりとした証拠を先生に見せなさい、エビデンスだよ、エビデンスを示しなさい。


Comments
私もその論に同意いたします。
低Naによる意識障害・興奮状態なんではないでせうか(笑)
高血圧の研究も行っている麻酔科医です。
ふと、目に留まりましたので、恐縮ですがコメントさせていただきます。
エビデンスです。
Sodium reduction and weight loss in the treatment of hypertension in older persons: a randomized controlled trial of nonpharmacologic interventions in the elderly (TONE). TONE Collaborative Research Group.JAMA 279:839-46, 1998
高齢高血圧患者に対して6.1g/日の減塩を行ったところ、controlと比較して、SBP -3.4mmHg DBP-1.9mmHgほど有意に低下しています。残念なことに、観察期間が短いために、心血管イベントには有意差は認めていません。
2002年の時点で日本人の平均食塩摂取量は11.4g/日と低下はしてきています。(13gもあったのは1995年頃)、1日6gはあくまで理想ですが、大切な目標値であると考えています。