スミルノフ教授公式ウェッブサイト

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■喉頭鏡素振りのススメ

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NHKの人気番組に課外授業~ようこそ先輩~-という番組があります。先生は、この番組で、個性とか自由な発想とやらを大切にする、という意図の元、未熟な児童たちにいきなり凄い仕事をやらせようとする、特に芸術分野の著名人が大嫌いです。これまでにこの番組に出演して良かった著名人は、ショーン・コスギ、ただ一人です。彼は、児童たちを二人一組にし、ある決闘の型を教えました。すべての児童に同じ型を教え、アドリブやアレンジは禁じました。ただし、衣装は各自手作りの創意工夫が許されました。発表会当日、彼は児童たちに内緒で、ハリウッドのオーディションさながらの会場を設営し、しかも外国人の審査委員を配しました。それぞれ個性的な衣装に身を包んだ児童たちは、思わぬ状況に緊張し、結局、格闘の型を正確に演じることができた者はほとんどいませんでした。

この番組は通常、無理難題と思われた課題を見事に成し遂げた児童たちを前に、教師役の有名人が感動して感涙にむせび、かえって彼らに教わったと言いながら、名残惜しそうに校舎を去って終了します。ところが、ショーン・コスギは違った。あまりの児童のできなさ過ぎに渇を入れざるをえなかった。

君たち、衣装作りには随分力が入っていたけど、肝心の「型」の練習を反復してやった人は何人いるのかな? 君は何回やった? 君は何回やった? せっかく練習しても、本番で上手くいかなかったら何にもならないんだ。本番というのは練習と違う。いろいろなプレッシャーもかかる。でも、そんな状況でもきちんとやれるように、基本的な反復練習を何回も何回もやっておくということが大事なんじゃないのか。

あまりの説得力に、どの児童たちの顔にも後悔の念が読み取れた。ショーン・コスギは笑顔なしで校舎を去った。頑張ったねと言ってやりたかったけど、あそこで厳しく言っておくことが彼らにとって大事だと思った。彼は立派な教師だった。

喉頭鏡素振りのススメは、古くからの読者にとってはこのサイトのシンボル的な存在なんだろうけど、実はただのギャグではなくて、深遠なメッセージが込められていたということがお分かりでしょうか。おい、研修医、患者で練習しようと思うなよ。挿管できないのは仕方ないとして、お前のその喉頭鏡の持ち方、チューブの固定の仕方、そんなことは事前に体に染み込ませておけ。患者を前にしての本番、緊張するのは当たり前だ。だからこその反復練習なんじゃないか。挿管人形は麻酔科医室にあるから。な。

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