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みなさん、こんにちは。道外にいるときはあれほど北海道日本ハムファイターズのファンがうらやましかった先生ですが、いざ帰ってきてみると、なんか全然興味湧かなくて、まわりから非国民と怒鳴られっぱなしです。

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日本を代表するピッチャー、ダルビッシュが札幌ドームで見れちゃうなんて幸せですね。先生、マー君の方が好きだな。あー、ウソですよ。道民だもの、ダルビッシュ尊敬してます。稲葉ジャンプのときに熟睡してたのは内緒にしといてください。

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そういうわけで、試合観ててもつまんないので、先生は写真ばっか撮って遊んでいます。その中の一枚に、ダルビッシュの投じた球の軌道が写っていました。そこで先生は面白い遊びを思いつきましたよ。この軌道から、ダルビッシュの球速を計算するんです。あなたのコンパクトデジカメもスピードガンに早変わりですよ、はっはっは。

それはさっそく初めてみましょう。軌道の写っている写真をフォトショップかなんかで開いて、定規ツールで「m:球の軌道の距離」、「l:マウンドのプレート前縁からホームベース先端までの距離」を測ってください。画像ソフトがない人はモニター上で定規で測ってもオッケーです。

次に、その写真のexif情報から、「t:シャッタースピード(秒)」を確認してください。つまり球速は、そのシャッタースピードの時間の間に球がどれだけの距離を動いたか、という形で表わすことになります。

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マウンドのプレート前縁からホームベース先端までの実際の距離は18.44mです。また、シャッタースピードは通常「秒」で表されますから、球速vを時速(km/hr)で表すため、式は以下のように成ります。

darvish3.gif

ではさっそく、ダルビッシュの投じた球の数値を入力していきましょう。上の写真からm=50.2、l=922.3、t=1/26です。

v = 1/1000 * 18.44*50.2/922.3 * 3600*26 = 93.9 km/hr

ええー、93.9kmしかねーの? まあ球場とかテレビで表示されるのは初速だから、このマウンドとバッターの中間あたりのスピードはちょっと遅めなんだろうけど、でもダルビッシュが100km切る球投げるかなー。おかしいなー。今となっては確かめようがないんだが。

ここで先生の頭に不安がよぎりました。というのは、先生の式は、バッテリーを真横から見る、あるいは、投手が地面と全く平行な球を投げる、ということを前提としています。でも実際には先生は、かなり上の方の席から観戦しているのです。

また、ダルビッシュが地面と平行な球を投げている可能性も低く、おそらくダルビッシュの球は1mぐらいは落差があるはすです。ですから、その球の軌道距離は18.44mよりは長いはずです(下図)。

darvish1.gif

ところがこれを真上から見ると、18.44mより長いはずの球の軌道距離が、結局18.44mと一致してしまうのです(下図)。

darvish2.gif

つまり真上から見た場合、a=cが成立してしまいます。先生は、これが誤差の原因ではないかと考えました。しかし、結局それは杞憂でした。落差1mの場合のc/aを計算してみると、これが1.001469.....と、ほとんど無視できるレベルだったのです。上で計算したダルビッシュの球速93.9kmをこの考えのもとに補正しても94.1kmと微々たる変化にしかなりません。

したがって先生は、これ以降、球場の上の方から見ている、ということはハンディと考えずに無視することにしました。ご了承ください。

ダルビッシュスペック

ダルビッシュはめちゃくちゃ球種が多い投手です。プロの世界ではただ早いだけじゃ通用しません。緩急つけてこその名投手です。ですから今回先生が測定した球も、「マウンドとバッターの中間あたりでだけ急にスピードが落ちる魔球」だったのかもしれません。ダルビッシュならあり得る話です。

と、先生は自分に言い聞かせて無理やり納得しました。しかし、この方法がどれぐらい正確なのか、やはりちゃんと確かめたいと思うようになり、後日また挑戦することになりました。今度は、ピッチャーが投げた球を写したすぐ後に、スピードガン表示も写して記録しておき、その数値と比較することにしたのです。

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この日のピッチャーはケッペルです。さっそく写真を元に球速を計算してみました。

v = 1/1000 * 18.44*118.9/869.8 * 3600*16 = 145.2 km/hr

145km、外人投手としては妥当な値が出ました。さっそくスピードガンを見てみましょう。

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おお、138km。先生の測定と7kmの差ですが、先生としては予想以上の出来栄えに驚きです。スピードガンだって少し斜めから狙ってますから、必ずしもスピードガンの方が正確とは断言できません。むしろ先生の測定の方が正確かもしれないですよ。なんだか先生、だんだん自信が出てきました。

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今度は中継ぎの金森です。ちょうど中間付近の軌道になりますが、さっそく計算してみましょう。

v = 1/1000 * 18.44*93.2/833.9 * 3600*17 = 126.1 km/hr

126kmですか。金森にしては妥当すぎる値が出て、先生はおもしろくないぐらいです。スピードガンはどうでしょう。

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97kmだって! いくら金森でもそれは失礼です。これは札幌ドームのスピードガンはもう信用ならないね。みなさん、先生の方を信じてください。先生はこの目で見たんですから。金森の球は明らかにもっと早かったです。97kmっちゅうことはありませんよ。

次に金森のその先生の計算によれば126kmの球がキャッチャーミットに届く寸前の写真もあるので、その球の終速として計算してみましょう。

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v = 1/1000 * 18.44*59.9/837.9 * 3600*34 = 161.3 km/hr

がーん! なんと終速が161km! 金森の球は真ん中あたりで126kmだったのが打者の手元で161kmにアップします。先生は昔から「手元でのびる球」の意味がよく分からなかったのですが、金森のおかげで今すっかり理解できました。どんだけ打者の手元でのびてんのよ。こんなに打者の手元でのびる球を投げた投手がかつていたでしょうか。梨田監督にはさらなる金森の起用を提案します!

(注:結果的にはタイトル釣りじゃん、なんて怒るのなしね)

permalink | comments (4) | trackbacks (0) | スポーツ | by スミルノフ教授

Comments

zoo | 2010/08/19 07:34
ボールの終速が上がるってのは、観客席にいる先生に近づくほど角速度が大きくなるっていうのも関係しそうな気がするのですが、いかがでしょうか?
スミルノフ教授 | 2010/08/19 07:53
そのあたり詳しい方検討してほしいですね。先生があえてvelocityというニュアンスの「速度」という言葉を使わなかったのも、そういう可能性を残した、つーか分からなかったからです。
| 2010/08/22 16:21
プロ野球にはすっかり疎くなってしまった者ですが、この記事で金森というすごい選手の存在を知りました。今後注目していきたいです。
pacer3 | 2011/11/07 10:25
真上からではないので、遠近が評価されていないからではないでしょうか?同じ速度でも、遠い(投手側)とボールの飛跡は短く、近い(打者寄り)と飛跡が長くなるので、単純に比例で求めると「手元でのびる」という結果になるのではないかと思った次第です。

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