スミルノフ教授公式ウェッブログ

append.gif Add to Google My Yahoo!に追加 Subscribe with Fastladder Subscribe with livedoor Reader

<< 究極のZEPコピバン、シナモン | main | サボイ・トラッフルとザ・ビーテルズ >>

刺したのは大人だった。

子どもが死に際に言い残した言葉っていうのは切ないな。

もう20年近く前の話になるけど、俺は、自分が麻酔を担当した単心房単心室の女の子をときどき思い出す。たしかフォンタン手術だったと思う。当時としては一か八かの手術だった。

とても物分りが良い子で、手術前夜は堂々としていたけれど、当日の朝、手術室に入るときに、彼女の目尻から一筋の涙がほろりと落ちるのを見てしまった。

「大丈夫?」と声をかけたが、彼女は「何でもない」といって隠すように涙を拭った。たぶん、周りが心配することが嫌だったんだと思う。

結局、その会話が最後になってしまった。 俺は、彼女がこの世で話した最後の相手になってしまったんだ。

小学校入学前後ぐらいの子だったと記憶しているんだけれど、あのとき、彼女はすでに立派な大人だった。死というものを理解し、受け入れていたんじゃないかと思う。そうだとすれば、今の俺よりもよっぽど立派な大人だった。

permalink | comments (0) | trackbacks (0) | | by スミルノフ教授

Comments

Comment Form

Trackbacks

<< 究極のZEPコピバン、シナモン | main | サボイ・トラッフルとザ・ビーテルズ >>