実を言うと麻酔科を辞めたんだけど、どういうわけか患者が来るのでペインクリニックはしょうがないから続けようかと思ってる。幸い透視室もあるので神経破壊や高周波熱凝固のような難しいブロックも何度かやった。だが世の中にはそんなブロックしても無駄だという一派もいる。
整形外科医の世界にも、腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄の腰痛・下肢痛は神経の痛みなんかじゃなく筋肉の痛みだとする一派がいる。神経根や脊髄が圧迫されたからといって痛みが出るわけがない、出るとしたら麻痺だ。だから手術で痛みが取れるのはウソであり、痛みがとれるのは偶然麻酔で筋緊張が取れるからだという。
その急先鋒が石川県小松市で開業している方で、なんでもかんでもトリガーポイントブロックだけで治るという。僕も最近まではトンデモだと思っていた。だが実際に手術で良くならない人は大勢いるし、ヘルニアや高度腰椎変形があっても何でもない人がいるのも事実だ。
昨日、大学病院のペインクリニック歴も長くいろんなブロックを経験しているうるさいタイプの腰痛下肢痛患者さんに、適当にごまかす気持ちでトリガーポイントブロックしたら、今日痛みが全くなくなりましたと電話がきた。まじで? 神経根の高周波熱凝固までした入院中の下肢CRPS患者にも、今日はやることがなかったので仕方なくトリガーポイントをしたら、なんかいい!って言う。まじで?
これいいかもしれない。俺って天才で、俺のトリガーポイントは特別なのかもしれない。トリガーポイントブロックは小松市の先駆者がいるので、俺のは名前を変えて特別なものとして差別化したほうがいいだろう。
ベリーダンスをコアリズム、短気集中エクササイズをブートキャンプと名づけて、何か過去のものと違う特別なものだと思わせるように。

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