バンクーバーオリンピックの最中、ついぞカーリングについて書くことができませんでした。こんなことじゃ宗像さんに申し訳ないので、第27回日本カーリング選手権が行われているうちに、とても久しぶりにカーリングのことを書こうと思います。
思い起こせば4年前、トリノオリンピックの最中に思わず書いてしまったこの言葉がきっかけでした。
おい貴様ら常呂町って知らんだろ。先生の故郷にほど近い小さな町だ。それを知ってたら負けがこんでるからって批判なんかできないんだよ。常呂町の女の子が世界を相手に戦ってるんだぞ。それだけでも先生は感涙にむせびます。
この記事を宗像さんが取り上げて下さったのがきっかけとなり(カーリングの対スウェーデン戦のハイライト、そして対イギリス戦は今夜! : 小心者の杖日記)、いろいろな方々からのアクセスをいただきました。
今日は、今さらですが、当時、どうして私が「貴様ら」などと暴言をはいたのかご説明申し上げましょう。話はさらに4年、8年前のソルトレイクシティオリンピックまで遡ります。
ソルトレイクのときはチーム青森の前身、ご存知シムソンズが出ました。このときのスキップは加藤さんです。リザーブとして当時は河西建設所属だった石崎さんが同行しました。
後に映画化されるぐらいですから、田舎の女の子たちがチームを結成し、オリンピックに出て世界と戦うという構図には誰だって興味をひかれます。小仲さんも美人だということで今のマリリンみたいに騒がれました。ところが、負けがこんでついついヤケになってしまった彼女たちの会話が日本国中に流れてしまいます。
スシ食いてえスシ あ今日は酒を買わなきゃ 酒だよ酒 酒かビール
これで世間は手のひらを返したようにバッシングに転じました。田舎から出てきて異国で毎日の試合、予選は長丁場です。しかも自分たちの力は全く世界に通用しない。無くなりつつある戦意。もう日本に帰りたい。スシ食いてえ。今日は酒宴にしよう、だからそれを楽しみに何とかこの試合を乗り切ろう。
擁護すればそういうことになります。当時の彼女たちにはマイクから拾われた会話がマスメディアに流れるという意識も希薄だったろうし、今でこそ様々な競技で全日本級の選手はマスメディア対応の教育を受けますが、もちろんそんなシステムも当時はなかったでしょう。
現在、常呂のカーリングホールを訪れているファンも多いと思いますが、たぶん思った以上に遠くて田舎だから驚かれていることと予想します。

北見市と合併して北見市常呂町となりましたが、実は北見市からはかなり離れています。私は小学生時代を常呂郡訓子府町や北見市上常呂といった、いわば北見市の郊外で過ごしたのですが、北見市内の人にときどき常呂町から来たと勘違いされ、ずいぶん遠くから来たねと言われたものです。本州のファンの方々、どうやって行くんでしょうね。女満別空港からバスにでも乗るのかな。
ですから、どんだけ小さな町かよく分かります。そんな小さな町の同級生や同窓生が集まってチームを作り、異国へ出かけていって世界の強豪と戦うのです。私には、そりゃ身内と考えればそういう立場で何やってんだコリャとか言いますが、とても無責任なバッシングはできなかったのです。
そのようなトラウマがあったものですから、私はトリノオリンピックでも、予選敗退の可能性が高くなってきたとき、バッシングを恐れました。なんと書いたらいいのか迷ったのですが、私は周りはどうあれ応援しようと決意し、そして「貴様ら…」の一節を書きました。
私の心配は無用だったのか、それとも宗像さんの尽力のおかげか、トリノでのチーム青森は好意的に受け止められました。バッシングどころか(もちろん一部ではありましたけど)、むしろブームを起こしました。熱戦を終えた後の小野寺さんの言葉で、私が一番印象に残ったのは「加藤さん、あなたの気持ちがよく分かりました」でした。私にはソルトレイクでのくやしさとトリノで戦っている最中の彼女の覚悟がこめられた言葉に聞こえました。
バンクーバーオリンピックの最中、ほとんど仮死状態の当サイトのアクセスが増えました。宗像さんが、いまだに私の言葉を、チーム青森を応援する原点として取り上げてくださったからです。私は胸が熱くなりました。ここであらためてお礼を申し上げます。












Comments
二人とも小さな世界に話し、蜜の龍に、空に話し、港に話し、黒猫に話し、色々な者に話した。
熊は赤い猫に、「悪夢」と、「三つのドアの下」と、「信念」と、「対自殺志願者」を教えてあげ、
赤い猫は熊に、「G戦場のマリア」と、「死刑囚」と、「悪の心」を教えてあげた。
他にも熊は、赤い猫に、絵を上げ、書き方を教えてあげた。
蜜の龍が暴れた時は、一緒になだめた。
そして時が過ぎて、熊は小さな世界に行かなくなった。
赤い猫も小さな世界に行かなくなった。
赤い猫は
「蜜の龍をなだめた時は偉そうに言って、自分が去る時は、無礼にも一言も無しか!」と怒っていたから、
熊がよく行くという教授に殴りこんだ次第だ。
赤い猫は、教授をよく見れない。だからPの空にて待っているそうだ。
今回も教授の心優しい一面が垣間見えた素晴らしいお話でした。さすが教授。
ほとんどの方に「ときどき見てます」と言われる当サイトです。毎日チェックしてくださってるとは恐縮です。ありがとうございます。
教授にレスを頂けるなんて・・・至極恐縮なのは私でございます。
ですが、当直で朝まで仕事をした日なんかはちょっと訪れられない時もありますので、そこは若気の至りとしてお許し下さい。