
日本女子プロ将棋協会(LPSA)から荷物が届きました。LPSAといえば、藤森さんや中井元女流名人たちが、将棋普及や女流棋士としての社会貢献などを掲げて将棋連盟から独立して作った組織。当初は将棋連盟もそりゃいいことだ、おやりなさいという雰囲気で60名近くの女流棋士が設立に参加するはずだったのだが、スポンサーがついて意外と大きな金が動くことを知った連盟が急に態度を豹変、設立参加に乗り気だった矢内女流名人らの懐柔に成功し、結局たった17名でのスタートとなったという、先生は勝手にそう解釈して勝手に同情している組織です。
そういう経緯なもんですから、将棋の普及活動においても独自の展開を行っています。先生が入手したこの荷物もその一環なのです。

中身は「どうぶつしょうぎ」。宛名伝票が「手書き」なところが、早くも身近で親しみやすい感をかもし出しています。ひょっとしたら所属する女流棋士の誰かが自ら宛名書きをしているかもしれない、そう思ったらこの伝票も下手に捨てられません。

中身が出てきました。これが「どうぶつしょうぎ」です。「手作り」ということですが、包装も一個一個手でやってる感がひしひし伝わってきます。まるで鳥の巣の中の卵のように大事に包装されています。

動物の絵は藤田麻衣子女流一級の手によるものです。最初、「手作り」と聞いていたので、まさか藤田女流一級が一個一個絵を描いてるのか?っと思いましたが、んなわきゃやっぱありませんでした。それにしても、なんともかわいらしいイラストです。

これが駒の全貌です。それぞれの駒が進める方向に○印がついているところがワールドワイドで素晴らしいです。「ライオン」は将棋の「玉」に相当し、すべての方向にひとつ進めます。「キリン」は「飛車」でしょうか、タテヨコにひとつ進めます。「ゾウ」は「角」でしょうか、ナナメにひとつ進めます。「ヒヨコ」は「歩」に相当し、前にひとつ進むことしかできません。しかし、敵陣(一段目)に入ると裏返って「ニワトリ」に成ることができます。「ニワトリ」の動き方は「金」と同じです。将棋と同じで、取った駒は手駒として使えます。

スタート時の駒の並び方です。手前の自陣(一段目)は「森」で、向こう側は「空」になっています。さて、このゲームの考案者は北尾まどか女流初段。「これって先手が絶対有利、だって一手目ですぐに相手のヒヨコが取れるじゃないか」と最初は考えますが、そこはプロが考えたゲーム、実際にやってみると意外に奥深いことを知らされます。

さっそく先生の奥さんと一戦交えました。奥の奥さんが先手だったのですが、ゾウ・キリン交換から先生が一ヒヨコ得したところです(飛車角交換から後手の一歩得)。

奥さんが投了したところです。奥さんの手番ですが、ヒヨコを打つ、キリンで自爆王手をかける、ぐらいしか手がありません。どちらにしろ、先生のヒヨコが一つ前に進んでニワトリに成ればツミです。二人ともけっこう真剣に考えました。
もちろん相手のライオンを取れば勝ちですが、自分のライオンが敵陣に入る、すなわち入玉しても勝ちなので、ライオン一匹になっても逆転は可能です。あと、解説書に「どうぶつしょうぎには反則はありません。打ちヒヨコ、二ヒヨコもOK」と書いてあり、奥さんが「打ちヒヨコ、二ヒヨコって何?」って聞いてきたので先生はニヤリとしました。
先生はかねてから、本物の将棋も漢字をやめて絵にしちゃえばいいのに、と思っています。外人に将棋を教えると、チェスより遥かにエキサイティングだといって感激します。なんといっても取った駒をまた使えるところがクールだと。それなのに将棋が囲碁に比べて今ひとつワールドワイドになれないのは、外人にはなかなか見分けのつきにくい漢字のせいだと、先生は思うのです。だからいっそのこと、全部の駒を動物の絵にしちゃえばいいのに! 「どうぶつしょうぎ」をやって、先生はますます持論に自信を持ちました。











Comments
なんだか言葉の座りが悪いせいか、「打ちヒヨコ」ってなんだ?と一瞬思ってしまいました。
パッケージ表紙の
「どうぶつしょうぎ」って字
筆跡が似てませんか。
>名無しさん 「NEWスタディ将棋」も将棋の入門には良いのでしょうが、「どうぶつしょうぎ」はいろんな意味で別の世界を作り上げているような気がします。
>treeさん 先生も一瞬考えたのですが、すぐにプッ噴出しました。入ライオン、成りニワトリ、楽しいですね。
>かくたさん さすが目のつけどころが違いますね。藤田一級が自ら宛名書きをしているという可能性ですね。詳細に筆跡を検討した結果……。いや、楽しい夢は夢として残しておきましょう。