■い、いやぁ~! 飲まないでえぇぇ~! - pithecanthropus collectus(蒐集原人)
リンク先はid:pontennaさんこと、日本を代表するコレクター、とみさわ先生が見つけてきた『医者がすすめる尿療法/佐野鎌太郎』(徳間ブックス/1993)という本の紹介です。その本の中身のトンデモぶりというか愉快さについては是非リンク先を読んでいただくとして、以下は尿療法といえばということで先生が思い出した話を書きます。
尿療法がブームになったのは90年代初頭で中尾という医師がその先駆者だったと記憶しています。当時は尿療法を行っている誰もかれもがマジで効くと叫んでいたので、当時は医師をしていた先生でさえ、その効果に疑問を抱くことをひとまず保留し、むしろ「どうして効くのか」というそのメカニズムにばかり興味が向きました。
■尿療法のススメここではおそらくそれまで考えられてきた効果のメカニズムに関しての仮説があげられています。おおまかにまとめると、1)尿に含まれる抗体が免疫を活性化する、2)尿に含まれる細菌やガン細胞が抗原となって抗体が産生される(ワクチン効果)、3)尿に含まれる内分泌物質の効果、4)placebo効果、ということになります。
まだまじめで純真だった先生は、尿に何か有益な内分泌物質が含まれているのではないか、という、実にまともな方向に考えを及ばせました。このサイトでも、ウロキナーゼ、ゴナドリールなど尿から多くの物質が精製され、それが実際に薬剤として発売されていることが示されています。
当時の先生の領域では、ウリナスタチンという薬が大ブームでした。ウリンとは尿のことですから、文字通りこれも尿から精製された薬剤です。今でこそ薬理学的なメカニズムもずいぶん研究され、その使い方も確立しているのでしょうが、当時の製薬会社の説明を聞いていると、その作用機序や効果があまりにも多岐にわたるので、結局何に効くのかよく分からないんだけれども、それは裏を返せば何にでも効くということでもあり、製薬会社も社運をかけてミラクリッド(奇跡の薬)なんて命名しちゃって、効能効果は一応「急性循環不全」ということでしたが、この「急性循環不全」って言葉がまた曖昧で便利な言葉でして、結局とにかく患者さんの体に負担がかかるような状況では使っておくのが無難なんてことになり、全身麻酔下で行われるある程度大きな手術ではとりあえず投与しておこう、なんてことがまかり通っておりました。
で、先生はその頃、これで製薬会社はけっこう儲けてるんだろうと思い込んでいました。そして、ウリナスタチンの原料には「自衛隊の尿」が使われているという、実しやかな噂が流れておりました。え、会社はいったいいくらで自衛隊の尿を買っているんだろう、だったら俺の尿も買ってくれないかなあ、とか思いました。それから毎日毎日、先生はおしっこをするたびに、ああもったいない、と思ってしまうようになりました。大通り公園のビアガーデンに設置された簡易トイレに流れる大量の尿が、まるで黄金の滝のように見えました。ああ、もったいない!
ここまでをまとめますと、要するに、先生は尿療法の効果にはウリナスタチンが関与しているのかもしれないと、うっすらと考えていたことをお話したかったわけです。
ところが、この歴史的なトンデモ民間療法の前では、そんな単純な考えなど全くお呼びでないことが判明しました。
ここに、その言いだしっぺの中尾さんの唱えるメカニズムについての記述がありました。
尿は、その人の体内のすべての情報がインプットされているソフトではないか。尿がありとあらゆる病気や病状に改善効果があるというこれまでの事実から、尿は血液の分身として、個人個人の体内の情報を良いこと、悪いことを余さず知っています。また尿には多くの微量成分が含まれていて、ちょうど指紋のように、誰ひとりとしてまったく同じ組成の尿はありません。そして、尿の持つ情報が再び体内に取り込まれると、生理の活性化を強化し、人間が誰でも本来的に持っている自然治癒能力にはたらきかけるのです。
いいですか、「尿は、その人の体内のすべての情報がインプットされているソフト」なんです。ですから、自分の尿でなければ効果がないのです。さらに飲む前に「ありがとう」なんて言葉を尿にかければ、効果がいっそう増強されそうですよね。
中尾先生の驚くべき考察はこれだけではありません。全く先生なんか足元にも及ばない奥深い考察です。
カテーテルで患者の胃に直接注入しても何ら効果を示さないことから尿は薬物ではないと考えられます。けれど、体内においてがんに対して何らの抑制や治療の効果は認められない尿が、口から飲むことによって初期の病変は完全に消滅する事実は多数の症例によって明らかです。また尿でうがいをするだけでも飲用と同様の効果が認められるということから、飲用された尿が喉を通過するときに喉のどこかにその中に含まれている情報を読み取るハードがあって感知するのではないか。
尿の何らかの成分が消化管から吸収されて効果を発揮するという考えは全くの的外れでした。「尿というソフトウェア」は「喉にあるハードによって読み込まれる」のです。まさに現在の電脳社会をも先読みしたかのような学説が、当時すでに考え出されていたことに、先生は驚愕と尊敬の念を隠せません。
尿療法を知ってから20年間近くも経つのに、一度も試したことのなかった先生は、今、とても後悔しています。先生はさっそく明日から始めることにします。ゴックンしなくていいんだから、うがいで喉のセンサーを刺激するだけでいいんだから、ねえ、それだったらみんな平気だよね!

Comments
体から出る水分というと汗があるから、運動した後で自分の腕の汗をなめるくらいにしておいて〜。
ね~。
彼女が飲めっていったら、やるかも・・・。
今は疎遠になってますが,友人夫婦がこの尿療法に填っていて,少々困ったです。最初はうっぷと来たよ,とか言ってました。
でも,砂漠を越えなきゃいけなかった難民とかの話で「自分のオシッコを人に飲まれないようにしなければならなかった」とか壮絶体験が語られたりしていてますので,大切な水資源みたいです。
緊急時の技として持っておくと便利?ですが・・私は,天下の美女のお小水でも,やりたくないな。あ,自分のだけでしたね。飲んで意味のあるの。
奇跡の薬の原料はその昔、館長の故郷にある駅のトイレから集められていたという噂です
今年は本当にジョン・レノビッチが降臨しないのですね。
8日は降臨を祈って近所の女の子がお酌してくれる店で"Happy Xmas"とThE 真心ブラザーズの「拝啓、ジョン・レノン」を歌ったというのに。
まだまだ世界は暴力にあふれ
平和ではありません
ネタに使わせていただいてたいへん申し訳ないです。
>Yamさん
放射性物質かなんかが尿に出るってことでしょうか。
>koneko04さん
汗療法もいいかもしれませんね。相撲部の汗とか集めて。
>サマ@ディーゼル 時計さん
彼女のを、ってことですか?
>complex_catさん
一度ハードルを越えると意外にオッケーかもしれない、ってところがかえって恐ろしかったりするんですよね。
>博物館長さん
自衛隊説同様、それも伝説ですね、きっと。ほんとのところはどうなんでしょう。
>かくたさん
suchiさんからもレノビッチが降臨しないことへのお叱りをいただいています。実はレノビッチは大麻所持の疑いで当局に拘束されているようで、俺はドラッグなんてやっちゃいないさ、本当に宇宙人を見たんだ、などと訳の分からないことを叫んでいるようです。降臨にはもう少し時間がかかりそうです。
医師・歯科医師57人に行政処分http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080926-OYT8T00226.htm
> 【同1年6月】佐野鎌太郎(佐野外科医院、甲府市)
細野さんだったらやってても不思議はないような。教授だったらけっこうショックですね。